DJIが3月3日、カメラ付きドローンの「Phantom 4」を発表した。価格は18万9000円(税込)、すでに注文を受け付けており、3月15日から順次発送予定だ。
Phantom 4は、小型のカメラを内蔵した遠隔操作・自律飛行可能なカメラ付きクアッドコプタードローン。前機種のPhantom 3シリーズをスペックアップしたもので、障害物を検知し回避する機能と、被写体を自動追尾する機能を新たに搭載した。また、より簡単な操作性と安全性も実現した。
カメラは空撮向けに改善された新設計の8枚レンズを搭載し、動画では4Kで30fps、フルHDで120fpsの記録が可能になった。カメラのブレを軽減するジンバルも再設計されており、新開発された素材によってより軽く、剛性も上がったことで安定性能が強化されている。また、機体が傾いた際にもプロペラがカメラに写り込まないようジンバルの取付位置が変更された。
機体のボディは、航空力学的なラインを見直すことでPhantom 3よりなめらかなフォルムになった。バッテリー容量が5350mAhと増加したことに加え、モーターの効率性や消費電力管理を改善したことで最大フライト時間は28分と、Phantom 3より5分長く飛行できるようになった。最大飛行距離は5km。また、新機能として「スポーツモード」を搭載し、このモードでは最大時速72kmという高速移動ができる。
障害物回避システムは、前方に搭載された2つの光学センサーによって15メートル先までの障害物を検知し、これを回避しつつ飛行を継続する機能だ。障害物の回避が不可能な場合には進行を停止し、その場でホバリングしてユーザーの指示を待機するようになっている。また、Phantom 3から搭載されている、超音波によって地表の形を認識するビジョンポジショニングシステムも進化し、従来は3メートル下までの地形情報しか得られなかったのに対して、Phantom 4では10メートル下まで感度が向上、より安定した飛行を可能にした。これらのシステムはPhantom 4がユーザーの元へ自動で帰還する「Return to home」機能を使用した時にも作動し、帰還飛行中の衝突リスクを軽減する。
アクティブトラッキングは、ユーザーがスマートデバイス上で動作する専用アプリの画面からタッチした、動く被写体を認識し、常に被写体をカメラの中央に収めるように自動追尾する機能だ。追尾されるユーザーが位置情報の発信機を持つ必要があるタイプのドローンとは異なり、本体カメラの画像認識によって任意の被写体を追尾できるのが特徴だ。
TapFlyモードでは、ユーザーがアプリで指定した目的地に対して自動で最適なルートを計算し、指定地点へのスムーズな移動を可能にする。
位置情報はGPSとGLONASS双方に接続することで正確性を高め、また、2つのコンパスモジュールと慣性測定装置をそれぞれ搭載し、機体が受信するデータの冗長性を実現した。
「『変わったのはたったこれだけ』なんてうちは言いません」とDJI JAPAN代表取締役の呉稲(ご・とう)氏が豪語するように、Phantom 4はPhantom 3から多くの機能が改善されているのが伺える。
これまでのPhantomシリーズでの空撮写真枚数が7000万枚、総飛行距離が2000万kmという実績にも触れ、ドローン関連の法改正で揺れる日本の市場の中でも利活用が今後増えていくだろうと呉氏は語った。
パネルディスカッションに参加した、ドローンを22台所有しているという日本マイクロソフトエヴァンジェリストの西脇氏は「誰よりもかっこいい映像を撮る時の壁は操縦する『訓練』と『安全性』だったが、Phantom 4はその壁を取り払った」と太鼓判を押した。
オルソのCEOである坂本氏は「練習する必要がない。誰でも空撮の感動体験が出来る。素直にすごい」と感心していた。
地上にいては絶対に撮れない動画を、素人でも綺麗に撮れる時代になってきた。筆者としても是非一度手にして、鳥が地上を見下ろすような動画を撮ってみたいと感じた。
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