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史上最高の画質が手に入る! パナソニックのUltra HD Blu-rayプレーヤー「DMP-UB900/UB90」を試す山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」(1/2 ページ)

» 2016年06月20日 17時08分 公開
[山本浩司ITmedia]
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 既報の通り、今月から来月にかけて20世紀フォックス、ワーナー、ソニー・ピクチャーズからUltra HD Blu-rayが計18タイトル登場する。そのタイミングに遅れることなく6月8日、パナソニックからUltra HD Blu-rayプレーヤーの「DMP-UB900」「DMP-UB90」の2モデルの発表があった(発売は6月下旬)。

Ultra HD Blu-rayプレーヤー「DMP-UB900」

 DMP-UB900は、今年のCESで発表された欧州向けのプレーヤーを日本市場に向けてリファインしたもので実勢価格は約13万円、弟機のDMP-UB90は、DMP-UB900をベースにアナログ音声出力を省いたモデルと大略理解してよく、価格は約7万円だ(どちらもオープンプライス)。

 ちなみに米国ではパラマウント、ユニバーサルからもこの6月から夏以降にかけてUltra HD Blu-rayを発売するとのアナウンスがあった。これでディズニー以外のハリウッドのメジャースタジオからUltra HD Blu-rayが出そろうことになるわけで、超高画質4K家庭用映画メディアとしてUltra HD Blu-rayの注目度が増すのは、間違いないだろう。

 さて、AVファン、映画マニア注目のDMP-UB900/UB90の試作機でUltra HD Blu-rayを再生、同社のHDR (ハイダイナミックレンジ)対応4Kテレビ「TH-58DX950」でチェックしてみたが、その解像感の高さとコントラスト表現、色再現のすばらしさに感心させられた。この2モデルの登場によって、従来のBlu-ray Disc以上の高画質世界を多くの方が手軽に楽しめるようになり、4Kテレビの存在意義がますます高まるといってもいいだろう。

 そんなわけで、発売前にDMP-UB900の借用を申し出て、初のUltra HD Blu-ray再生対応BDレコーダー「DMR-UBZ1」と自室でじっくり比較してみることにした。今回はそのインプレッションをお伝えしよう。

HDR対応のテレビとSDRのプロジェクターで比較

 わが家のプロジェクターは4KパネルのSXRD(反射型液晶)タイプのソニー「VPL-VW500ES」で、残念ながらHDRには対応していない。110インチ・スクリーン(オーエスの『PureMatte3 Cinema』)に映し出したその大画面映像で、Ultra HD Blu-rayの魅力がどれだけ味わえるかが、自室視聴での最大のチェックポイントになる。

ソニーの4Kプロジェクター「VPL-VW500ES」。残念ながらHDRには対応していない

 DMP-UB900を箱から取り出し、愛用ラックの上に置く。ずしりとした手応えのあるダブルレイアードシャーシのDMR-UBZ1に比べると、DMP-UB900は驚くほど軽い。HDMIケーブルやインレット型の電源ケーブルを挿すと、筐体がズズッと動いてしまうほどで、なんだか頼りない。本体質量を調べると、DMR-UBZ1の8.2kgに対して2.4kg。持ち上げるには有り難い軽さではあるけれど……。

パナソニックが昨年11月に発売したUltra HD Blu-ray再生対応のBlu-ray Discレコーダー「DMR-UBZ1」

 コンパクトな筐体(きょうたい)のトップパネルは、ヘアライン風の装飾が施されたダークグレー仕上げ。素っ気ない仕上げの同社製BDレコーダーに比べると雰囲気のよい意匠だが、電源ボタンとディスクトレイのイジェクトボタンがフラットサーフェス仕様になっており、その位置が分かりにくい。DMR-UBZ1のようにボタン位置にくぼみがあるほうが暗い環境では絶対に使いやすいと思う。

トップパネルは、ヘアライン風の装飾が施されたダークグレー仕上げ

 いっぽう、DMR-UBZ1に比べてリモコンは断然使いやすい。レコーダー機能がない専用プレーヤーなのでボタンが大きくシンプルなレイアウトに仕上げられるのは当たり前かもしれないが、なんといってもうれしいのが、ボタンが自照式になったこと。暗闇での使用が前提となるプロジェクターユーザーにとって、これは有り難い。ライトアップされないDMR-UBZ1のリモコンを暗室で使っていて、視聴中にポーズボタンを押したつもりが間違えてストップボタンを押し、グッタリした気分になったこと数知れず、だったのだ。

付属のリモコン

 DMP-UB900の2系統あるHDMI出力端子をそれぞれプロジェクターのVPL-VW500ESとAVアンプのパイオニア「SC-LX89」につないでそのパフォーマンスをチェックしてみよう。視聴に用いたのは、米国盤Ultra HD Blu-rayの「レヴェナント:蘇えりし者」。これまで十数枚観てきたUltra HD Blu-rayのなかで、個人的にもっとも高画質だと実感したすばらしい作品だ。

「レヴェナント:蘇えりし者」(画像は国内版)。20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパンから8月24日に発売予定。価格は7479円(税込)

本作は、今年の2月に発表されたアカデミー賞で、監督賞(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ)、撮影賞(エマニュエル・ルベツキ)、主演男優賞(レオナルド・ディカプリオ)を受賞した作品。イニャリトゥとルベツキの2人は「バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」に続く2年連続のオスカー獲得となった。

 酷寒の地で繰り広げられる壮絶なサバイバル・ストーリーを雄渾な筆致で描いた本作は、特別なライティングをせず、自然光と有りものの光だけを用いたアベイラブルライト撮影が大きな特徴。すべてのシーンが一幅の泰西名画を思わせる美しい構図で捉えられ、その光と影のダイナミックかつ繊細な対比から、4K&HDRの魅力がダイレクトに伝わってくるのである。アカデミー撮影賞の受賞も大いにうなずける飛び切りの超高画質作品といっていいだろう。

 以前DMP-UB900とTH-58DX950の組合せで本作を観て、そのあまりの画質のよさとBlu-ray Discとの隔絶した違いに驚いたが、HDR非対応のVPL-VW500ESで観てもその繊細かつダイナミックな映像の魅力をリアルに実感できた。

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