当然ながら鍋の素材や構造によって温度が測りづらい場合もある。そこで、リンナイは独自にデリシアシリーズとの組み合わせに最適な鍋も開発し、商品として販売している。特に専用の炊飯土鍋である「かまどさん自動炊き」は気合いが入っており、伊賀焼で有名な長谷園と共同開発。なべ底のコンロのセンサーが当たる部分にはカーボン素材を使って、鍋の温度上昇を正確に測れるよう工夫を凝らした。こいつを使って炊いた米の味はまた格別なのだ。
最新のデリシアシリーズが画期的なところは、遂に天面のガスコンロ側でフルオートの調理サポート機能を実現したところにある。グリル部分のフルオート調理機能については、比較的内部の熱コントロールがしやすく、グリルやココットなど専用の調理器具を提供することで先に完成していた。一方で天面のコンロについては、ユーザーそれぞれに使いなれた調理器具を使用することが想定されるため組み合わせをケアすることが難しく、フルオートによる調理管理も困難だったという。リンナイでは熱感知センサーをはじめ、各機能の精度を向上させることでブレイクスルーを達成した。
グリル内部は細かなパーツが着脱できるので、こまめに洗えば内部がきれいに保てる。フッ素加工のグリルプレートが付いてくるので、汚れも付きにくい。さらにシリーズの一部モデルに付属しているデリカシリーズ専用のココットを併用すれば、グリル内での油跳ねによる汚れを極力抑えながら、よりバラエティの広いメニューに挑戦できる。
また、グリルで魚や肉を焼く時には煙による臭いも気になるものだ。デリシアシリーズが搭載する「スモークオフ機能」は、グリルの排気口に近い位置に専用のバーナーを配置して、漏れこぼれそうになる煙や臭いを“焼き切る”ことでカットするという画期的なものだ。
多彩な機能を搭載するデリシアシリーズは、AC100V対応の最上位モデルが33万円前後と、やはり値段もそれなりに高いが、キッチンライフのスマート化に大きなインパクトをもたらす製品だ。ショールームでの体験レポートはこのあと報告するが、その前にシリーズの先進性を語るうえで欠かせない「スマホ連携」について概要をまとめておこう。
デリシアシリーズ専用のスマホアプリはiOS/Android対応。ガスコンロとBluetooth経由で、パスコードの入力により簡単にペアリングができる。家族一同が便利に使えるよう、1台のガスコンロに対して7件のモバイル機器が登録できる。
アプリからは100種類を超えるバラエティーに富んだ料理のレシピがチェックできる。作りたいレシピを選び、ペアリングしたコンロに送信すると、コンロが鍋の火加減を調節しながら自動でおいしい料理を仕上げてくれる。この機能がアプリとの連携による最大のハイライトだ。デリシアシリーズのAC100V対応の最上位機の場合、気に入ったスマホアプリのメニューを本体のメモリーに取り込んでおけば、スマホを起動しなくても繰り返し使えてさらに便利だ。
レシピはフードコーディネーターの蓮沼あい氏が監修しているもので、毎週1件ずつ最新のレシピが加わる。多彩なレシピは和食やイタリアン、フレンチなどスタイルや食材をキーワードにしながら探せたり、「専用調理器具でさがす」というユニークな機能も用意する。さらに「あっさりヘルシーに」「友人を呼んでおもてなし」など、シーン別に最適なメニューを探せるのも面白い。
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