オンキヨー&パイオニアイノベーションズがCESで披露した注目株はスマートフォンだけではなかった。片手で持ちやすいコンパクトサイズのハイレゾDAPが、オンキヨーとパイオニアの両ブランドから発表された。
両方のモデルともに、型番に価格、発売時期や導入地域についてはCESの時点でまだ明らかにされていなかった。当然ながら待つ側としては日本での登場に期待が膨らむ。
オンキヨーは「DP-X1A」を、パイオニアは「XDP-300R」をそのまま小型化したようなルックスだ。パイオニア機はブラックとシルバー、2色の試作機が公開された。右側面のトップにはボリュームダイヤルを装備し、左側面には音楽再生の操作ボタンとmicroSDカードスロットが2つある。右下には誤操作を防止するためのホールドスイッチを設けた。画面サイズは2.4インチ。トップには3.5mmのヘッドフォン出力と、2.5mm 4極のバランス出力端子も備えている。
展示機は電源が投入され、ハンドリングとリスニングもできたので、それぞれのインプレッションを報告しておこう。OSはAndroidではなく、独自開発のものになった。DP-X1、XDP-300Rに比べて画面のサイズは小さくなっているが、ボタンアイコンは大きくデザインされているので押しづらいことはない。タップ操作への反応も機敏だ。
ハイレゾはリニアPCMのほかにもDSD再生が可能。ESSテクノロジーのDACを2基搭載しているようだ。MQAの対応も宣言されている。内蔵するストレージの容量は16GB。SDカードスロットは2基備えている。
Bluetoothのほか、Wi-Fiでインターネットにつなぐこともできる。DP-X1AやXDP-300Rのようにアプリを追加することはできないが、TIDALにDeezer、パンドラ、tuneinなどオンライン系サービスはDAP単体でリスニングができるようだ。
オンキヨー、パイオニアのDAPともに筐体(きょうたい)のメイン素材は剛性の高いアルミを採用、背面は樹脂製のパネルとしたことで、ホールド性とアンテナ感度を高くしている。
会場に展示されていた実機を試聴したインプレッションも簡単に報告しておこう。オンキヨーのモデルはクリーンな音色とワイドな音場、中高域のツヤっぽさがとても印象に残った。女性ボーカルは声の輪郭がクッキリと鮮やかに描き出された。
パイオニアのDAPにも同じ楽曲が保存されていたので聴き比べてみた。こちらはボーカルの音像がより前に押し出してきて、ハイトーンが伸びやかでみずみずしい。中域の鮮やかさ、低域の弾力感がとても心地良い。オンキヨー&パイオニアイノベーションズの担当者によれば、音の完成度は6〜7割程度であるというが、ブラッシュアップが完了すれば、どちらも非常に個性的なプレーヤーに仕上がるのではないかと思う。
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