パナソニックがテクニクスブランドの新製品として発表したアナログターンテーブル「SL-1200GR」は、SL-1200シリーズのスタンダードモデルだ。2016年に発売した上位モデル「SL-1200G」と比較すると外観に大きな違いはなく、型番も1字追加されただけ。しかし、価格はSL-1200Gの33万円に対し、今回は半値以下となる14万8000円(いずれも税別)。手を出しやすい製品の追加は大歓迎だが、「どこでコストダウンしたか」は気になるところだろう。
製品名 | SL-1200GAE | SL-1200G | SL-1200GR |
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発売時期 | 2016年6月 | 2016年9月 | 2017年5月 |
価格(税別) | 33万円 | 33万円 | 14万8000円 |
備考 | 国内300台の限定モデル | 現行の上位モデル | 新しいスタンダードモデル |
SL-1200シリーズは、1972年に発売された「SL-1200」から続く、テクニクスを代表する製品の1つだ。その特徴は、超低速回転のモーターが実現したトルクフルなダイレクトドライブ方式。さまざまなスクラッチ・プレイが可能となり、オーディオファンのみならずDJにも支持された。2008年、同社がホームオーディオ市場から一時撤退したときも最後の製品は「SL-1200MK6」だった。
新しいSL-1200GRには、新開発のコアレス・ダイレクトドライブ・モーターが採用されている。コアレスとは、コア(鉄芯)のないという意味で、ダイレクトドライブ方式の課題であった“コギング”と呼ばれる回転ムラや回転中の微小な振動を防ぐ効果がある。こうした基本的な設計思想はSL-1200GAE/Gのモーターと同じだが、異なるのはツインローター型からシングルローター型に変更されたこと。SL-1200GAE/Gではステーター(固定子)を挟んで上下にドーナツ状の永久磁石(ローター磁石)が配置されているが、SL-1200GRでは一方を削っている。
シングルローター化のデメリットはトルクが下がること。これに対応するため、SL-1200GRはプラッターを軽くした。重量を比較すると、SL-1200GAEのアルミと真ちゅうで作られたプラッターが約3.6kgあったのに対し、SL-1200GRのプラッターはゴムシートを入れて約2.5kgと1kg以上も軽い。
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