ニコンからミドルレンジ一眼レフの王道にして、極めて完成度が高いカメラ「D7500」が発売された。
エントリー向け(D3×××やD5×××)では物足りない、かといってハイエンドの「D500」やフルサイズ一眼レフは高価で重くて手に余る。
フルオートに頼らず、露出やISO感度を自分で素早く決定したい、見やすいファインダーが欲しい、スポーツも撮りたいとなるとこのクラスからスタートということになる。
そんな完成度が高いD7500だが、2015年に出た前モデル「D7200」に比べてスペック的に劣っている点(画素数が減った、SDカードスロットがデュアルからシングルに減った)もあり、そこにひっかかる人もいるようだ。
なぜD7500は今のスペックになったのか。
面白いのでD7500の位置づけを歴史的経緯から追ってみたい。
ちと昔話。
2000年代後半、ニコンのAPS-Cフォーマットは「D200」→「D300」と続く、頑丈で高性能なハイエンドのライン(メディアはCFカード)と、「D70」→「D80」→「D90」と続く、ミドルレンジのライン(メディアはSDカード)、そしてエントリー向けの3つのラインがあったのである。
だが2006年に登場したD300はマイナーチェンジを一度ほどこしたものの後継機がなく、2010年に「D90」と「D300」のちょうど中間に存在する「D7000」が登場。
D300の系統が途絶えたこともあり、D7000系はミドルレンジ機でありながらSDカードのデュアルスロット、高画質・高速なAF、縦位置グリップオプションなどの拡張性が必要とされた。
特に「D7100」やD7200はミドルレンジ機でありながらD300後継のフォローをする必要があったので、どうしてもあれこれ詰めこまざるを得なかった(のだそうだ)。まあ一ユーザーとして傍から見ててもそんな感じはあり、どんどんステップアップしたいハイアマチュアユーザーにはすごく魅力的なカメラだったのである。
だがしかし、D300の系統はもう出ないと思われていた2016年、APS-Cサイズのフラッグシップ機、D500が高速AFと高速連写、ハイエンド機ならではの頑丈さを兼ね備えて登場。D300が2007年だったので(2009年にマイナーチェンジモデルは出たものの)、9年振りのフルモデルチェンジを果たし、D7×××シリーズにかかる負担がぐっと軽くなったのである。
そしてD7500はD7200の後継機よりも、D500の弟分的位置づけでフルモデルチェンジを果たしたのだ。
それを念頭に置くと分かりやすい。
だからイメージセンサーはD7200の約2400万画素からD500と同じ約2088万画素のセンサーに変更。もちろんローパスフィルターレス。
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