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実は「D500」の普及型!? ニコン「D7500」は軽快で安定した王道一眼レフ(1/5 ページ)

» 2017年06月26日 12時46分 公開
[荻窪圭ITmedia]
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ミドルクラスの性能や使い勝手を備えながらボディは比較的小型で扱いやすい

 ニコンからミドルレンジ一眼レフの王道にして、極めて完成度が高いカメラ「D7500」が発売された。

 エントリー向け(D3×××やD5×××)では物足りない、かといってハイエンドの「D500」やフルサイズ一眼レフは高価で重くて手に余る。

 フルオートに頼らず、露出やISO感度を自分で素早く決定したい、見やすいファインダーが欲しい、スポーツも撮りたいとなるとこのクラスからスタートということになる。

 そんな完成度が高いD7500だが、2015年に出た前モデル「D7200」に比べてスペック的に劣っている点(画素数が減った、SDカードスロットがデュアルからシングルに減った)もあり、そこにひっかかる人もいるようだ。

 なぜD7500は今のスペックになったのか。

 面白いのでD7500の位置づけを歴史的経緯から追ってみたい。

D7500はD7200の後継機というよりD500の普及型

 ちと昔話。

 2000年代後半、ニコンのAPS-Cフォーマットは「D200」→「D300」と続く、頑丈で高性能なハイエンドのライン(メディアはCFカード)と、「D70」→「D80」→「D90」と続く、ミドルレンジのライン(メディアはSDカード)、そしてエントリー向けの3つのラインがあったのである。

 だが2006年に登場したD300はマイナーチェンジを一度ほどこしたものの後継機がなく、2010年に「D90」と「D300」のちょうど中間に存在する「D7000」が登場。

 D300の系統が途絶えたこともあり、D7000系はミドルレンジ機でありながらSDカードのデュアルスロット、高画質・高速なAF、縦位置グリップオプションなどの拡張性が必要とされた。

前々モデルとなるD7100。デザインテイストはD7500へ継承されている

 特に「D7100」やD7200はミドルレンジ機でありながらD300後継のフォローをする必要があったので、どうしてもあれこれ詰めこまざるを得なかった(のだそうだ)。まあ一ユーザーとして傍から見ててもそんな感じはあり、どんどんステップアップしたいハイアマチュアユーザーにはすごく魅力的なカメラだったのである。

 だがしかし、D300の系統はもう出ないと思われていた2016年、APS-Cサイズのフラッグシップ機、D500が高速AFと高速連写、ハイエンド機ならではの頑丈さを兼ね備えて登場。D300が2007年だったので(2009年にマイナーチェンジモデルは出たものの)、9年振りのフルモデルチェンジを果たし、D7×××シリーズにかかる負担がぐっと軽くなったのである。

D7500。デザインはD7000系を継承している

 そしてD7500はD7200の後継機よりも、D500の弟分的位置づけでフルモデルチェンジを果たしたのだ。

 それを念頭に置くと分かりやすい。

 だからイメージセンサーはD7200の約2400万画素からD500と同じ約2088万画素のセンサーに変更。もちろんローパスフィルターレス。

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