5月に開催されたドコモの新しい2017年夏モデルのスマートフォンの発表会に異色の製品が並んでいた。ホームコミュニケーションデバイス「petoco」(ペトコ)だ。外観はロボットにも見えるし、スマート・トイのようでもある。話しかけて操作ができたり、メッセージを音声で読み上げてくれる機能もあるらしい。ペトコとはいったいどんな製品なのか。開発に携わったスタッフに詳しい話を聞いた。
ペトコは国内の新鋭ベンチャー企業であるフォーティーズがNTTドコモと共同開発したホームコミュニケーションデバイスだ。家庭のインターネットにWi-Fiで接続して、宅外にいるスマホを持つ家族と、在宅している家族との間でテキストメッセージや静止画、動画をチャット感覚でやり取りする、コミュニケーションのサポートに特化したデバイスだ。
本体はティーポッドぐらいのサイズ感で、歩いたり車輪で動き回る機能はない代わりに、内蔵する背面投射型のプロジェクターで白色の本体にキャラクターの表情を映して、声で話しかけてくれるキャラクター性を持っている。
5月のドコモ新製品発表会で初めてお披露目されたペトコは、今年の夏からフォーティーズが同社のWebサイトなどで始めるトライアル販売の準備を進めている。価格は未定だが、フォーティーズの川添貴之社長によれば目安として3万円台をターゲットにしているという。購入後もサービスの利用料金を必要とするかなど詳細については今後の発表が待たれる。
なおペトコはドコモのスマホユーザーでなくても、ペトコの専用アプリをインストールしたAndroid 5.0以上、iOS 8以上のスマホやタブレットに接続して使うことができる。
ペトコはドコモが音声や画像認識、メッセージングなど次世代のコミュニケーションデバイスのために開発する技術資産をフォーティーズにライセンスアウトするかたちで、両社が共同開発を進めてきた。「ペットのように家族にかわいがってもらえるデバイスにしたい」という思いから、名前を「ペトコ」としたと語るのは製品のコンセプトメイキングからハードウェアとサービスの開発まで全ての側面に関わってきたNTTドコモの移動機開発部 第二イノベーション推進担当 主査の村上圭一氏だ。村上氏はペトコのアイデアを発案した経緯を次のように振り返る。
「ペトコでは家族のための新しい便利なコミュニケーションのかたちを実現したいと考えました。アイデアを固める前に、さまざまなご家庭にアンケートを取ったところ、いま“DEWKS(Double Employed with Kids)”と呼ばれている、お子様のいる夫婦共働きの家庭で親子間、家族間のコミュニケーションギャップが起きがちであることが見えてきました。ドコモでは子供も安心して使える携帯電話端末を商品化してきましたが、まだ小学校低学年以下で文字入力などが難しいお子様でも利用できるデバイスが必要であると考えました。また小学校高学年以上の年齢になってスマホを持つと、友だちどうしでのLINEのやり取りなどに埋没して家族の連絡がつきにくくなるようです」。ペトコのような家族専用のデバイスが活躍できるシーンがたくさんあると村上氏は訴える。
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