フィリップスはヨーロッパ最大級の総合エレクトロニクスブランドである。そして今回紹介する電動歯ブラシ“ソニッケアー”シリーズのスマホ連動型コネクテッドモデルは、2016年の「IFA 2016」で注目された製品の1つ。日本で発売されたシリーズ最上位モデルのスマート歯ブラシ「ソニッケアー ダイヤモンドクリーン スマート」(HX9964/55)を試しながら、スマホにつながる“スマート歯ブラシ”の魅力を探ってみよう。
ソニッケアーの原型には1980年代に世界初の「音波歯ブラシ」として米オプティバが開発した製品と技術がある。その後、オプティバがフィリップスのグループに加わることになり、歯科医師で使われていた音波技術を使った電動歯ブラシがコンシューマー向けのオーラルケア製品として普及することになる。ソニッケアーは20年以上に渡る歴史を持つブランドなのだ。
歯の健康からつながる体全体の健康を維持するためには、毎日コツコツと歯を磨く習慣が一番大事だが、電動歯ブラシを使うことで手磨きでは落としきれない口の中の汚れを除去できるのが大きなメリットだ。ソニッケアーシリーズの最新モデルは口の中でブラシを1分間に約3万1000回という速いスピードと、最適化した振幅幅で動かすことによって「音波水流」と呼ぶ液体流動を発生させる仕組みが特徴だ。この音波水流の正体である唾液を有効に活用することで、虫歯や歯周病の原因になるプラーク(歯垢)が効果的に除去できるという。
手磨きで歯を一所懸命ブラッシングすると、つい手もとに力が入ってしまうものだ。ソニッケアーの最新モデルは最適なブラシ圧をガイド、コントロールしてくれる機能を備えている。だから歯と歯ぐきにやさしく、負担も少ない。歯ぐきの痩せや衰えは40代の筆者にとっても大きな関心事の1つなので、今回お借りしたソニッケアーのテストにもつい熱がこもってしまった。
「ソニッケアー ダイヤモンドクリーン スマート」には本体のカラバリや付属品が異なる3種類のバリエーションがある。テストに使った「HX9964/55」は本体色が「ルナーブルー」という深い光沢感のある青が特徴的なモデルだ。4種類の専用ブラシヘッドのほか、本体をグラスに置いて充電できる専用の「充電用グラス」、旅に持ち歩く時に便利なUSB充電対応のトラベルケース、洗面台などにブラシヘッドをキレイに並べておけるホルダーなどが付属する。
専用ブラシヘッドにはマイクロチップが内蔵されている。スマート歯ブラシの本体である「ハンドル」に装着すると、最適なモードと強さを自動で設定してくれる。ブラッシングの総時間とブラッシング圧によって、歯ブラシ本体が交換時期を計算して教えてくれる。細かな使用状況についてはスマホアプリ「Sonicare」の画面からいつでも確認できる。4種類のブラシヘッドはそれぞれ単品でも買い足せる。
歯ブラシとスマホの間はBluetoothで接続する。ハンドルに内蔵されているセンサーが歯磨きのクセをチェックして、Sonicareアプリが上手な磨き方をコーチングし、歯磨きの記録をデータとして保存できるところが本機のスマートなところだ。アプリはiOSとAndroidの両プラットフォームに対応している。
ハンドル本体にはセンサーにバッテリー、その他たくさんの電子部品が組み込まれているのに、本体とブラシを装着した重さは約144gに抑えられている。ちなみにソニッケアーのエントリーモデルである「イージークリーン」(HX6521/01)の重さは約132gだ。当然ながら普通の歯ブラシに比べて手に持つとズッシリとした手応えを感じるが、ブラッシングのときに本体を上下左右に動かす必要はないので、この安定感がむしろ頼もしく感じられる。ハンドルの本体にはブラシを歯に押しつけ過ぎた時や、動かしすぎた時にアラートを知らせてくれる過圧防止センサー、動作センサーがそれぞれ組み込まれている。
ハンドルには電源ボタンのほか、5つのブラッシングモードを選択するセレクトボタンを搭載している。5つのモードは歯垢がたまりがちな場所を徹底ケアできる新しい「ディープクリーンプラス」をはじめ、「クリーン」「ホワイトプラス」「ガムヘルス」「舌磨き」の各モード」を搭載。それぞれにブラッシングの細かな動きや時間が異なっている。ブラッシングの強さも電源ボタンの短押しで3段階からスイッチできる。
内蔵バッテリーの充電には24時間かかるが、1度フル充電すれば約3週間は連続して使えるように設計されている。同梱アクセサリーである充電専用グラスの中に、ハンドルを置くだけで手間をかけずに充電できるのが面白いところ。海外出張にも心強い100V〜240Vのマルチ電圧対応としている。
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