e☆イヤホンがベルサール秋葉原で、12月16日、17日に開催している「ポタフェス 2017 WINTER 東京・秋葉原」。会場にはベルサール秋葉原の他に、TKPガーデンシティPREMIUM秋葉原を用い、国内外194ブランドのイヤフォンやヘッドフォンのメーカーが出展しており、同イベントでは過去最大規模の開催となっている。
今回のポタフェスでは、スマートフォンなどの心臓部であるSoC(System-on-a-Chip)を設計開発しているクアルコムがブースを出展していたのが印象深い(正確には前回から出ていたとのこと)。クアルコムが開発する、Bluetoothでハイレゾ相当の高音質を伝送できる「aptX HD」に対応する製品が増えてきたことから、今回はaptX HDを全面的にアピールしていた。他にも、Appleの「AirPods」と同様に左右分離型のワイヤレスイヤフォンを、複数のブースで見かけるなどワイヤレスイヤフォンが目立ってきている印象だ。
本記事では、そんなワイヤレスイヤフォンの話題を中心にイベント1日目の様子を振り返っていく。
前述したように、クアルコムはコーデックであるaptX HDを開発している企業だ。aptX HDを発表したのは2016年1月だったため、対応製品が出るのに時間を要したが、2017年12月現在では少なくとも56製品がaptX HDに対応したという。
この数は「想定より多い」と担当者は言う。さらに、Android OSのバージョン8(Oreo)がaptX HDを標準でサポートしたため、aptX HDで伝送可能な機器は今後もっと増えていくだろうと見ている。
同じくハイレゾ相当の高音質伝送ができる、ソニーの「LDAC」との関係はどうか。「LDACとは争わず、共に音楽のワイヤレス体験を広めていけると考えている」(担当者)
現に、ソニーのウォークマンの一部はアップデートでaptX HDにも対応している。これはチップセットにクアルコムのものを使っていたため、技術的にaptX HDへの対応が容易という背景があったという。
「かつてのVHSとベータのように、排他的に展開するよりも、良い判断なのではないか」(担当者)
ロア・インターナショナルが、11月からクラウドファンディングサイト「Makuake」で出資募集を開始し、目標金額100万円のところを357万円まで集めた左右分離型のワイヤレスイヤフォン「WINGS」を会場で先行展示していた。
WINGSはイヤフォンとバッテリー付きクレードルが1つのパッケージになっており、イヤフォン単体では連続3時間の音楽再生だが、満充電のクレードルと合わせると、計12時間の再生が可能だという。
技術的な目玉としているのはBluetooth 5への対応だ。Bluetooth 5に対応することで、Bluetooth 4.2と比べ通信可能距離や音切れの問題が改善できたという(デバイス側もBluetooth 5に対応していることが必要)。
対応コーデックはSBCとAACと、aptXやaptX HDには対応しないものの、その分廉価な提供を可能にしている。16日現在、Makuakeでは先行価格として15%割引の8330円(税込、以下同様)で販売している。
協和ハーモネットのイヤフォンブランド「ZERO AUDIO」は、参考出展として、MMCX端子でケーブルとワイヤレスレシーバーに差し替えられるイヤフォンシステム「M-DOCK」を展示している。
特筆すべきは、MMCX端子がハウジング部にあるのではなく、ハウジング部から数十cm伸びたケーブルの先にあることだ。ケーブル先のMMCX端子をワイヤレスレシーバー「M-BTR1」に差し込むことで接続する。つまり、他社のMMCX端子採用イヤフォンは利用できない。
なぜ他社との互換性を廃したのか。「同じMMCXとは言っても、他社の製品は接続部の仕様がまちまちで自社製品とうまく接続できないことがある。有線と無線を切り替えられるシステムとして、自社の製品を選んでいただけたら」と担当者が理由を語った。
ワイヤレスレシーバーのM-BTR1は発売日や価格は未定だが、2018年4月の発売を目指しているという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR