“作る”と“食べる”がつながる、ながしま農園の野菜づくり郷好文の“うふふ”マーケティング・特別編(4/4 ページ)

» 2008年06月26日 22時11分 公開
[郷好文,Business Media 誠]
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“作る”と“食べる”をつなげる

 燃料高の影響で肥料は2倍に値上がりし、さらに3割アップ。“暖房機システム農業”は破たん寸前だ。地方ほど高齢化する就業者層も問題がある。都心の定年退職者で就農したい人も増えてはいるが、いったい何年働けるというのか? “趣味”で野菜を作られて安く販売されると、かえって農家経営が圧迫される。日本の農業はどうすればいいのか? 多くの人が農業政策や生産技術を論じるが、長島さんはこう言う。

 「食卓の変化を考えればいいんですよ」

 この30年で日本の食は大きく変わった。外食の大衆化からグルメへ、さらに中食ブームや健康・安全志向。しかし、食卓は大きく変化したものの、農業は変わっていない。だから消費者の変化に少しだけ気付くことができれば、農業なら成功する可能性が高い。

 ながしま農園が高い収益率を誇るのは、自分や地元に向き合った野菜づくりがおいしさになり、流通業に理解者を広げ、消費者に支持されるからだ。“作る”と“食べる”がつながり、「毎日食べる野菜と豊かに出会いたい」という私たちひとりひとりの思いとつながっているのだ。

 ながしま農園のヤングコーン、Cherryさんはフリット(フライ)にした。筆者は生でかじった。うまかった。これが、食ビジネスの出発点である。

ビジネスセミナー開催のお知らせ

おしぼりドビーくんの1シーンより

 4月3日掲載の本連載記事「お前が変えてみろよ、おしぼりの価値観ってやつを」で取り上げた、藤波タオルサービスの事例研究セミナー『ウチの会社を変えよう!イメージ刷新からのぎゅっと“価値観改革”』を、7月24日に開催します。

 セミナー第1部では、おしぼり会社の若き2代目、藤波克之さんがゲストとして登場。おしぼり市場やおしぼりブランドについて、熱く語っていただきます(冷たいおしぼり付き!)。第2部、第3部では郷好文氏が、ウチ(会社)とソト(お客さま)の価値観を変える改革について講演します。堅苦しくないセミナーですので、ぜひご参加ください。くわしくはこちらへ。


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