全10回でお送りする、ジャーナリスト・上杉隆氏、作家/経済ジャーナリスト・相場英雄氏、ノンフィクションライター・窪田順生氏の鼎談連載8回目。米国では今、新聞やテレビの売り上げが低迷している一方、ネットを使ったメディアが存在感を増している。政治ブログとしてスタートし、かなりの影響力を持つ「ハフィントン・ポスト(The Huffington Post)」などがあるが、なぜ日本ではこのようなWebサイトが存在しないのだろうか。この問題について、気鋭のジャーナリスト3人が語り合った。
→政治家のフトコロから記者にカネ……メディア汚染の問題点とは(2)
→あなたはモグリの記者ですか? そう感じさせられたエライ人の論理(4)
→新聞社の立派な建物が残り、報道が消えてしまうかもしれない(6)
→大臣を逃がしている自覚がない? つまらない質問をする記者たち(7)
相場:ボクは現役時代に、他社の先輩からよく怒られました。「あの記事はちょっと書きすぎ」「あの書き方は卑怯だ」「お前、ちょっと守りに入りすぎ」などと。しかしそうした反応が返ってくると、こちらもリアクションがとれます。
しかし上杉さんが官房機密費を報じるようになってから、他社からのリアクションがなくなったというのは本当ですか?
上杉:彼らにとって、ボクは見えない存在になっている。
窪田:ボクの知り合いの記者もこんなことを言っていました。「個人的に、上杉さんの書いていることは賛成している。だけど会社的にはちょっとな」と。たぶんこの記者は、上杉さんのことを無視している1人だと思います(笑)。
上杉:ある先輩はこんなことを言っていました。「君の書いていることは正論なんだよ。けどね、書いちゃいけないこともあるんだ」と。じゃあ、嘘を書け、ってことですかね。一体どうすればいいんでしょうね。
またある人は「政治記者というのは、政治家が言ったことを全部書いてはダメなんだよ」と言っていましたが、そもそもボクは政治記者じゃないし(笑)。ゴルフジャーナリストだし(笑)。
相場・窪田:ハハハ。
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