服が売れない……メンズスーツ市場は12年前の半分以下

» 2010年10月06日 16時33分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 矢野経済研究所は10月5日、「国内アパレル市場に関する調査結果」を発表、2009年の国内アパレル市場規模は前年比7.8%減の9兆612億円と2年連続で縮小したことが分かった。2009年の減少幅(前年比7668億円減)は、市場規模が10兆円の大台を割り込んだ2008年(同4568億円減)より拡大。1991年のピーク時には約13兆円あった同市場の規模は、約20年間で3割ほど縮小したことになる。

 矢野経済研究所では急縮小の背景として、「景気後退の影響に加えて、デフレ基調が継続する中で外資系ファストファッションの店舗が拡大したこと、また低価格カジュアルチェーン店が消費者の支持を集め、商品単価が下落したことがある」とコメントしている。

品目別の国内アパレル小売市場規模推移と予測(出典:矢野経済研究所)

 分野別に見ると、婦人服・洋品市場は前年比7.9%減の5兆6790億円、紳士服市場は同8.3%減の2兆4922億円、ベビー・子供服・洋品市場が同5.5%減の8900億円といずれも減少している。

 特に紳士服市場の1割を占めるメンズスーツ市場は、前年比19.5%減の2330億6500万円となり、1997年に5335億円あった同市場は12年間で半減したことになる。「これまでの上品質・高価格の流れから機能性、利便性、低価格へと消費者の嗜好(しこう)が変化し、販売単価が下落したことと、オフィスウエアのカジュアル化が進み、スーツを着用しなくてもよい職場が増加したことが背景にある」(矢野経済研究所)。

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