今回の取材で、私は現地で発行されている日本語紙『週刊NY生活』のオフィスを訪ねた。2004年に創刊した同紙は、ニューヨーク駐在の日本人ビジネスマンや学生などに広く読まれているフリー紙だ。紙面ではアメリカ生活に必要なさまざまな情報を、独自取材で網羅。ニューヨークやニュージャージー、コネチカット、オハイオ、ワシントンDCなどで日本経済新聞とともに配達されているほか、デジタル版の配信も始まって世界中どこでも読めるようになった。
オフィスで出迎えてくれたのは、発行人兼CEOである三浦良一氏だ。昨今のニューヨーク事情についていろいろ話をうかがったあとで、私はこの旅のテーマであるアメリカン航空の羽田/ニューヨーク線についても三浦氏に聞いてみた。新しく就航したAA134/135便は、こちらで暮らす人たちにはどうとらえられているのか──と。
「ニューヨーク在住の人にとって羽田線はとても価値ある路線ですよ」と三浦氏は言った。「日本では結婚式などが日曜日に開かれ、ニューヨークに招待状が届くというケースも少なくありません。忙しい人でも、羽田線が就航したおかげで出席しやすくなりました。金曜日の夕方まできちんと仕事をし、18時10分のAA135便でJFKを発てば、羽田には土曜日の22時15分に到着します。都心のホテルに泊まって、翌日の結婚式に参列し、もう一泊して月曜日の朝に発つAA134便に乗れば同じ月曜日の朝5時15分にニューヨークに帰ってくることができますでしょう。それから自宅に帰ってシャワーを浴びてリフレッシュし、出社すれば、仕事を休むことなくスケジュールをこなせるんです」
なるほど。羽田の国際化には『週間NY生活』でも注目し、羽田へのアクセスに便利な品川のホテル特集などに紙面を割いてきた。東京からニューヨークへ向かう人と、ニューヨークから東京を目指す人と──AA134/135便はその両都市を有機的につなぐ“掛け橋”として、早くも重要な役割を果たし始めているようだ。
作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各メディアにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオのコメンテーターとしても活動。
著書に『ボーイング777機長まるごと体験』『みんなが知りたい旅客機の疑問50』『もっと知りたい旅客機の疑問50』『みんなが知りたい空港の疑問50』『エアバスA380まるごと解説』(以上ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)、『新いますぐ飛行機に乗りたくなる本』(NNA)など。
Blog『雲の上の書斎から』は多くの旅行ファン、航空ファンのほかエアライン関係者やマスコミ関係者にも支持を集めている。
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