→第1回 mixiを使っているのは誰なのか、そして新インタフェースの理由
→第2回 サービス開始から2カ月、「mixiページ」は今どうなっているのか
→第3回 足あと廃止は改悪なのか、進歩なのか――ユーザーコミュニケーションの重要性
→最終回 1500万人を満足させることは可能か――問われる「ネットベンチャーの雄」の舵取り
国産老舗SNSであるmixiは、さまざまな機能を取り込みながら成長を続けている。本連載では、ミクシィ社長の笠原健治氏、副社長の原田明典氏へのロングインタビューを元に、mixiのこれまでと、これからの変化について考察していく。
第1回では、現在mixiが移行を進めている新しいUIの狙いと、mixiをアクティブに使っているユーザーは誰か、という話題を取りあげた。2回目となる今回は、8月31日に発表になった「mixiタウン構想」についての詳細と、その第一弾のサービスである「mixiページ」が現在どのように使われているのかを見ていこう。
→第1回 mixiを使っているのは誰なのか、そして新インタフェースの理由
友人に誘ってもらわないと入れない、という形で出発したmixiは、招待制ではなくなった今でも、良い意味で「閉じた」コミュニティという性格が強い。普段の日記やつぶやきは友人まで公開、ニュース日記はたくさんの人に読んでほしいから全体公開で。飲み会で撮ったみんなの顔が写っている写真は参加者だけが見られるように……どんなコンテンツをだれにまで見せるかをきめ細かく設定できるのは、mixiの大きなメリットだ。そもそも、mixiにログインしていない人からは、たとえ全体公開であってもmixi内のコンテンツは見られない。
情報はフルオープンというインターネットから一歩引いて、閉じた世界だからこそ安心――その基本姿勢を大きく転換するのが「mixiタウン構想」である。
日々当たり前に使っていると忘れがちだが、mixiはさまざまなサービスの集合体である。試しに、身の回りのmixiユーザーに「あなたがmixiで一番使っているのは何のサービス?」「あなたが『mixiの看板サービスといえばこれだ』と思うものは何?」と聞いてみると面白い。
ある人は「コミュニティ」と言い、ある人は「最初からある日記では?」と答えるだろう。「足あとこそmixiのアイデンティティ」という人もいれば、「ボイスしか使ってない」「mixiニュースは見てるよ」という人や、「mixiではゲームしかやってない。リアルな人間関係を持ち込むのは煩わしいからマイミクはゼロ」という人もいる。
このように多様化したサービスをどう分かりやすくユーザーに伝え、使ってもらうか? ということが、現在mixiでは非常に優先度の高い課題となっている。前回、新UIには「リアルタイム性の高いフロー型コンテンツに、ストック型コンテンツが混在しないように」という狙いがあると書いたが(参照記事)、フローとストックという以外にも、mixiのサービス群を分ける軸がある。その一つが「プライベート(Closed)」「パブリック(Open)」という軸だ。
プライベートとは、友達どうしのクローズドなやりとりをする場のこと。例えば友達限定で公開している日記やボイスなどが該当する。一方、パブリックとは、友人以外も含め、知らない人とも広くオープンに交流する場のことだ。mixiニュースやmixiアプリ、コミュニティなどがパブリックなサービスといえる。
ミクシィ副社長の原田明典氏は、mixiを街に例えて、「mixiという街が大きく発展することが大切」と説明する。「街には住宅地もあれば、繁華街もある。街が大きくなって人が増えても、住宅地ではプライベートが守られて快適に過ごせて、繁華街には情報や娯楽があり、さまざまな人がいて賑わっているという状態が理想。街が発展する中で、住宅地に必要なことと繁華街に必要なことをごっちゃにしないことが大事」(原田氏)
ここでいう住宅地が「ホーム」、繁華街が「タウン」だ。もともとmixiは友達同士の交流の場を閉じた形で提供することで発展してきたが、mixiという場をクローズドな友人同士の交流の場である「ホーム」と、友人以外とも交流できるオープンな「タウン」に分け、タウンにはさまざまなコンテンツやCGM、サービスや企業を誘致し、発展させていこう……というのが「mixiタウン構想」である。
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