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ちきりん:中田さんが書かれた本『政治家の殺し方』(幻冬舎)には、市長になって、大変な目にあったという実体験が赤裸々に綴られていますよね(関連記事)。こういう本を出されることにはものすごく価値がある、と感じました。
一般論で「新聞記者にこんな人がいますよ」「市役所の中にこんな公務員がいますよ」と書かれても“ふーん”という話で終わってしまう。しかし中田さんが書かれたのは実体験に基づくことなので話がすごく詳細で具体的、その価値は大きいですね。
中田:この本を読んでいただいた読者の中には、「実名で書けばもっとよかったのに……」という人もいました。僕の弁護士は「全部、実名で書いてもいい。判決はすべて出ているのだから」と言ってくれました。しかし僕は、実名を出しませんでした。もちろん名前を忘れたわけではありません。本の中で登場する「市役所にウォシュレットをつけろ!」と言ってきた記者については、新聞社名も名前もしっかりと覚えています(笑)。
ちきりん:個人名を書かれなかったのはいいご判断だと思います。別に個人を責めたいわけではないんですよね。
中田:そうなんです。「罪を恨んで、人を恨まず」――ではありませんが、「構造を恨んで、人を恨まず」だと思っています。公務員の構造は、責任ある立場にいなくても、年齢を重ねると給料がどんどん上がっていく。
例えば「責任をとらされて、月給40万円」「責任をとらされなくて、月給40万円」。もし僕が公務員でどちらか選ぶかというと、責任をとらされないほうを選びますよ。
ちきりん:そりゃあそうですよね。
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