公務員が、市長に「死ね!」というメールを送るワケちきりん×中田宏、政治家を殺したのは誰か(4)(4/4 ページ)

» 2012年01月17日 08時02分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
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中田:匿名性ゆえにやっていることですが、こちらにとっては、その人が男性であるのか女性であるのか。年齢も分からないし、ましてや顔の表情も分からない。

 市役所の人間も、周囲にバレるとは思っていないんです。

ちきりん:その「バレると思っていない」というのが信じられないのです。今時、会社のPCでメールを送ったら、誰が送ったのかということは、組織の長が特定しようと思えば当然バレるというのが常識だと思うのですが……。

中田:実名を出して「死ね」というメールを、僕のところに送ってきても、読むのは僕だけ。「お前、オレの実名を知って何ができるんだ」という論理があるわけです。それは匿名社会に限りなく近いわけですよ。

 処分はされないわけですから。たかをくくっているわけですね。

 名誉のために申し上げますが、そんなメールを送らない職員のほうが圧倒的に多いですから。常識を持っている人が多いですので(笑)。

ちきりん:も、もちろんです。

中田:ただ、なぜ一線を越える人が公務員の中にいるのかというと、運命共同性が低いからです。自分の行動が他人に対して、大きな影響を与えるかどうかについては、長年公務員を続けていると鈍感になってしまう。なので50代の人の方が「死ね」というメールを、送ってしまうのかもしれませんね。

続く

2人のプロフィール:

ちきりん

兵庫県出身。バブル最盛期に証券会社で働く。米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。2010年秋に退職し“働かない人生”を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。著書に『自分のアタマで考えよう』『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』がある。Twitterアカウントは「@InsideCHIKIRIN

 →Chikirinの日記

 →中田宏さんと対談しました!(Chikirinの日記)

中田宏(なかだ・ひろし)

衆議院議員(3期)を経て、平成14年に横浜市長に就任し2期務める。横浜市の累積借入金を約1兆円純減、ごみ排出量40%削減、市営地下鉄、市営バス、水道局の黒字化など数々の改革を通し市財政を再建。現在、青山学院大学院などの客員教授を務めながら、全国各地での講演活動や本の執筆など多方面で活躍中。

2011年10月に発売された政治の利権構造を赤裸々に綴った『政治家の殺し方』(幻冬舎)は、Amazon.co.jpのベストセラー1位を獲得するなど好評を博している。


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