「オリジナルな自分になりたかった」――エジプトでの貧困層支援のやりがいとは世界一周サムライバックパッカープロジェクト(4/4 ページ)

» 2012年03月13日 08時00分 公開
[太田英基,世界一周サムライバックパッカープロジェクト]
世界一周サムライバックパッカープロジェクト
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「目の前の人を対象とするのか、多くの人を対象にするのか」

 内海さんは海外に飛び込み、自分自身のフィールドを切り開いてきました。

 そして、今後について考える時の判断軸として、「目の前の人に手を差し伸べられる距離感で仕事をしたいのか、それより多くの人を助ける政策的な仕事をしていきたいのか、これからいろんな場所で経験を積みながら考えていきたいです」というメッセージがありました。これは「自分が何をやりたいのか」を考える時、とても大切な判断軸になります。僕自身も常々考えています。

 例えば、中学3年生のA君がある問題を抱えていた時、そのA君を最も身近な距離で支え、一緒に問題解決をしていけるのは家族を除けば担任の先生でしょう。

 しかし、A君のような問題を抱える生徒は、ほかのクラスにも存在しているものです。ただ、担任の先生では、ほかのクラスやほかの学年の生徒は管轄外になってしまいます。そうすると校長先生が、学校全体のA君のような問題を抱える生徒をバックアップしていくことが考えられます。ただし、校長先生はより多くの人に影響を持てますが、A君個人に対する影響の深さは担任の先生にはかないませんし、担任の先生抜きでは成立しません。

 また同様に、校長先生でもほかの地域の学校にいるA君のような生徒をバックアップすることはできません。さらに大きく考えると、文科省に入れば日本にいるA君のような生徒全体に解決方法を提案することはできますが、最早A君と直接触れ合うことは難しい距離にいます。

 ただ、多くの“A君”に間接的ではありますが、影響を持てるのは文科省です。一方、A君個人に対して最も深く関わり、直接的に支えられるのは担任の先生です。

 内海さんの「目の前の人を対象とするのか、多くの人を対象にするのか」という言葉。どちらも大切なことであり、どちらも必要不可欠です。今後、どういうことをしていきたいのかの1つの判断軸にしてみるのは良いかもしれません。

 アラブ中東圏に飛び込む日本人は少ないです。そんな中で飛び込み、今後も国際協力の世界に尽力していくことを決めた内海さんの今後に期待大です。国際協力・開発を志す方々は、内海さんのようなバイタリティと行動力を持って現地に飛び込み、リアルを体感し、日本と支援国の相互の未来をつむいでいってもらえたら! 内海さんに出会って僕はそう思いました。

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