かつて過疎の村という報道がよくあった。それは若者が都会に出て行くからで、自分が住んでいる都会はあまり関係ないという気持ちが多くの人にあった。しかし今はそうではない。日本全国のあちらこちらで見られる光景だ。
実際、あと10年か20年後には、東京が高齢化の波にのまれると予測されている。その時には個人の所得に関わる税収は減り、社会保障に関わる支出が増えて、財政が逼迫(ひっぱく)するだろう。そうなったら東京が抱える膨大なインフラ(都立と名が付くものだけでもすぐに思いつくものがたくさんある)の維持補修をどうやってまかなうのだろうか。
住民が集まって自分たちの生活基盤を話し合うというのは、非常に手間暇のかかる話ではあるが、いいチャンスなのかもしれない。それこそ民主主義の原点であるからだ。人口が減るのだから、自分たちの生き方も変えなければならないという意識が生まれてこそ、社会は変わっていく。日本が生まれ変わるチャンスがそこにきっとあると思う。
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