土肥:「誰か、いい人紹介してください。『普通』の人でいいですから」といった会話、しばしば聞きますよね。
西口:「いい人って、どんな人なのか」「普通の人って、どんな人なのか」を具体的に表現できなければいけません。
その答えがなければ、思考がそこで止まっている。そういう言葉をビジネスの世界では「思考停止ワード」と言います。例えば「最適化」という言葉。あるモノを最適な状態に近づけることを意味するので、基本的にはいいことなのですが、「最適化」と言った瞬間に「確かに、最適化ですよね。なるほど」で終わってしまう。これではダメ。なぜならそこで考えることを止めているから。ビジネスの世界でもそうした思考停止ワードって多いですよね。
例えば「これは『シナジー効果』が生まれる」とよく聞きますが、この「シナジー効果」とは何でしょうか? 具体的にどんなシナジー効果が生まれるのか、といった議論をしなければいけないのに、その部分が抜け落ちていることが多い。ひどいときにはシナジーがないときに限って「シナジー」という言葉で逃げたりする。
人間って考える作業はつらいので、あまり考えたくないんです。ビジネスの世界では、考えなければ上司に怒られるかもしれない。競合他社に負けるかもしれない。なので、仕方なく考えている人が多い。
ビジネスの世界では上司が部下にムチをうち、部下は自分にムチをうって、どんなシナジー効果が生まれるのかを考えます。しかし結婚の場合は「自分が我慢すればいい」「なんとかなるかもしれない」と、まるで"くさいモノに蓋"をするような感じで考えようとしません。なので「普通で……」という言葉が、ついつい出てしまう。
さらにいえば、「結婚」については、自分が思考を止めていることすら認識していない人が多い。もし将来、結婚したいと思っているのであれば、せめて自分が思考停止状態であることを認識することが必要なのではないでしょうか。
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