カリブ海にあるケイマン諸島はタックスヘイブン(租税回避地)と言われる土地です。税金がかからないので、金融業などの会社の本社が置かれていたりします。まあ、怪しげなペーパーカンパニーも多かったりするのですが……。
投資信託で、本籍地がここに置かれているものもよくあります。気になる方は目論見書を確認してみましょう。「ケイマン籍」と明記されています。税金がかからなければ、その分を再投資や分配金に回してもらえる可能性があるので、お得ですよね。
そんなこんなでケイマン諸島は一部の投資家にとって憧れの島です。「どんな会社があるのかしら」「オフィス街っぽいのかしら」「金融マンであふれているのかしら」……などと夢がふくらみます。
実際、常夏の島なので、本当にリゾートとして訪れてビーチを楽しむ人も大勢います。でも投資家として行くなら、不純な動機ではないでしょうか。泳いだりせず、純粋に投資の聖地として見るべきでは? まあ、タックスヘイブンのあり方にも賛否両論があるので、ただ憧れてしまうのも危険かも。
タックスヘイブンの「ヘイブン」は「heaven(天国)」ではなく「haven(避難所)」。僕は昔、「無課税天国」みたいな意味に勘違いしていました……。
著者プロフィール:雄山スズコ
漫画家兼投資家。政治経済ジャンルに主に生息。2004年から投資を始める。中国株、日本株、各種外貨資産などさまざまな金融商品で痛手を負うが、こりずに挑戦中。著書に『政治萌え!〜国会ゆるゆる観察日記』(司書房)。2008年3月〜2011年12月に日本経済新聞紹介サイト「nikkei4946.com」で4コマ&コラム「まんがで見るキーワード」を連載。公式サイト「桃熊薬局」。著作一覧はこちら。
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