お客さんが目当ての商品を買わない理由新連載・カイモノマーケティング(4/4 ページ)

» 2012年09月05日 08時00分 公開
[澤地正人,Business Media 誠]
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「1袋300円」よりも「1食50円」の誘惑

 内的参照価格は、あくまでも頭の中のイメージでしかありません。このイメージと売価を比べることには、そもそも無理があります。そこで売価を「身近な金額」に置き換えることで、値ごろ感に変化できます。

カイモノマーケ 「1食当たり50円」と書かれると、とたんに安いと感じることも

 例えば、販売価格を「使用時の単価」に置き換えているのを見たことはありませんか? ある浄水器の値ごろ感を伝えるために、「1リットル当たり7円でキレイな水が作れます」という訴求です。ほかにも「1食当たり50円」と、使用時単価に置き換えることで値ごろ感を数値で示しています。

 このように、なるべく身近に感じられる数値に変換して、ショッパーの価格に対する不安心理を払拭していくことが大切です。販売額の大きな商品程、購買の意思決定に不安を感じますので、値ごろ感を身近な数値で示すことが、最後の一押しにつながると思います。

 今回紹介した3つの仕掛けは、商品カテゴリや売り場の状況によって実現可能性が変わります。しかし、大切なことは「買う気になっているショッパーをいかに捕まえるか?」です。

 価格のギャップ、イメージとのギャップ、売り場の作り方、在庫保持、店員の対応など、さまざまな要因でショッパーはすぐに買う気をなくしてしまいます。まずは、買う気で訪れたショッパーに不安感、不信感を与えるような売り場・売り方になっていないことを点検するところから始めてみましょう。つまり、カイモノマーケティングは、お客さま(ショッパー)の買い物心理を知るところから始まるのです。

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