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→第7回 本記事
日本で誰かが死亡すると、その人の資産は勝手な処理ができないように、金融機関などによっていったん保護される。その後、適切な相続手続きを経て、遺族などに分配されたり放棄されたりするのが通例だ。
しかしこの流れに乗るのは、何かがきっかけで周囲の人間が故人の資産だと気付いたものに限られる。銀行口座なら預金通帳やカード、不動産なら登記簿などの書類、部屋にある調度品ならそれそのもの――。もしも、故人が誰にも告げず、庭に金塊を埋めてこの世を去ったら、その金塊は未来永劫誰にも気付かれないかもしれない。少なくとも死後まもなくに行われる遺産相続の対象にはならないだろう。
そして、インターネットの資産は庭に埋めた金塊になりやすい。
特に依頼がなければ紙の通帳やカードを発行しないネットバンクは珍しくないし、オンライン向けの電子マネーやネットショップのポイントなどは、残高やIDをプリントアウトする機会のほうが少ないだろう。それらを誰に話すでもなく利用していたら、PCやスマホに痕跡が残っていたとしても、家族が気付いて拾い上げるのは至難の業。意図的に隠さなくても、自然な流れで誰にも知られない資産になってしまう。インターネットはバーチャルというより、現実社会と比べてとてもパーソナルな世界といえる。
では、ネットを中心に利用される資産は、ユーザーの死後どのように処理されているのだろう。個人が扱う一般的な“ネット資産”として、ネットバンクや電子マネーの大手に取材した。
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