「婚活」で韓国人男性が締め出されるわけ伊吹太歩の世界の歩き方(3/5 ページ)

» 2012年10月18日 11時40分 公開
[伊吹太歩,Business Media 誠]

20歳のベトナム人女性を襲った悲劇

 そんな感覚からきているのかは定かでないが、国際結婚が悲劇を生んでいることは間違いないようだ。2010年2月、貧しい家庭に育ったベトナム人の20歳女性が、韓国人の斡旋業者を介して、47歳の韓国人男性と結婚。だがこの男性は統合失調症を患っており、2005年以降、57回も入院していた。だが斡旋業者も本人も、その事実は妻には知らせなかった。

 そして紹介の翌日にベトナムで結婚(妻の家族に、夫は175ドルを支払ったという)。その5カ月後、韓国で一緒に暮らし始めてからたったの1週間後に、この新妻は夫に殴打された上に、刺殺された。懲役12年の刑を受けた夫は、「新婦を殺せという声が聞こえた」と話した。

 このニュースが報じられると、韓国に対して国際的にも非難が起きた。李明博大統領も無視できず、「彼女が実家に最後に電話したとき、父親にこう言ったそうだ。『私は幸せに暮らしたい』と。私は本当に悲しく、残念に思う」と演説した。

 だが李大統領の演説もむなしく、2011年5月にまた事件が起きた。37歳の韓国人男性が、前年に結婚した23歳のベトナム人女性を殺害したのだ。妻が離婚を求めたことで夫が逆上、司法解剖の結果によれば、妻はナイフで53カ所も刺されていた。しかもその死体のかたわらには、生まれて19日目の男の子がいたという。

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