ワークシェアリングとは違う? 次世代の働き方「コラボワーク」とはこれからのことがよく分かるコラム(5/5 ページ)

» 2013年05月17日 12時00分 公開
[仲川薫,Business Media 誠]
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三陸町の農家・小野花匠園が行なう、昔ながらの「相互扶助」の仕組み

 2つ目の事例は、宮城県南三陸町の農家・小野花匠園で、ここはワークシェアリング×コラボワークのハイブリット型だ。

 同園は、菊の栽培・加工をしており、現在20代から60代まで幅広い年齢層が活躍している。菊の栽培から花束づくりまでの工程を分割して人を募り、チームを結成。チーム単位で最後まで責任をもって仕事を完遂する「コラボワーク」が成り立っている。

 個人の業務はやれるぶんだけ、そしてお互いの得手不得手や業務の不足分を補って全員で仕事を「コラボ」して完成させている。運営側は、繁閑差のある人員確保に対応できることに加えて、地域の主婦が中心でやる気のある人材を確保することができるほか、早朝の案件にも対応してくれるので、助けられている部分が多いという。

 働きやすい環境のほか、公私ともに話をすることのできる仲間が増えたり、年長者が若手を育てる機会が増えたりすることで、生活そのものに張り合いが出るなど、二次的な効果も出ているという。

古くて新しい「コラボワーク」でスキルのある人材活用が可能に

 「仕事はマネジメント側が管理する」という概念が強い人には、なかなか想像しにくいかもしれない。しかし、近隣の住民同士がお互いの仕事(農業・漁業)を相互扶助する仕組みや、地域コミュニティの活動、PTA活動など、「コラボワーク」は原点回帰的であるともいえ、日本人が元来得意としてきた働き方でもあるのではないだろうか。

 今後急速に高齢社会を迎える日本にとっても、「コラボワーク」は大きな助けとなるだろう。またインターネットの進化により、協業スタイルにバリエーションも増えている。その意味で、今後ますます社会にとって必要な働き方になるのではないだろうか。2013年、コラボワークが広がる。

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