旧約聖書には、「禁じられた果物を食べてしまったアダムとイブが、神から罰として労働を与えられた」とあります。英語で労働を表すlaborの語源は「難儀」、同じようにフランス語で労働を表すtravail(トラバーユ)の語源は「拷問」だそうです。businessも「忙しい」が転じたものですから、そもそも欧米人にとって、労働はネガティブなものであったことが分かります。
そういう民族には、モチベーションは欠かせません。嫌なことをする、避けたいことに取り組むのですから、「モチベーションが何より大切だ」となるのは実に分かりやすい話です。報酬や労働契約、労働時間に対する考え方が大きく異なるのも、このような労働観の違いに起因すると考えるのが自然でしょう。こう考えれば、労働を美徳だと考える日本人に対して、難儀だと考える欧米人向けの手法でモチベーションを高めようとするオカシサに気付くはずです。(川口雅裕)
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