尖閣諸島の“せんかくん”が、ゆるキャラグランプリにエントリーする日窪田順生の時事日想(2/3 ページ)

» 2013年09月17日 08時21分 公開
[窪田順生,Business Media 誠]

「ゆるキャラ」がブレイクするには

 「うっぴー」の場合もかなり苦しい。「てつぞー」と異なり、親しみやすい幼児体型の2頭身キャラなので、商店会イベントに登場すると、たちまち子供たちが寄ってくるのだが、そのほとんどが彼の名を知らない。

浦安商店会連合会の「うっぴー」

 商店会会費の予算だけでは、ほとんど稼働できないからだ。だから当然、「うっぴー」は「ゆるきゃらグランプリ2013」にもエントリーができない。

 昨年の「ゆるキャラグランプリ2012」で、見事2位の座に輝いた山口県の「ちょるる」は、知名度を上げていくため積極的にイベントに出演している。もちろん、それが仕事なのわけだが、活動にはカネがかかる。だから2011年の復興予算のなかの「被災者のための緊急雇用創出事業」の一部もそこにあてていた。

 「ゆるキャラ」が全国区ブレイクできるかはバックにどれだけのカネと力があるかということが重要になってくる。つまり、「人気アイドル」と同様に、多くの関係者の汗と涙と札束でつくり出されているというわけだ。

 なんてことを言うと、なにやら批判をしているように聞こえるかもしれないが、そうではなく、決して悪いことばかりではないと思っている。

 近年のブームのおかげで、自治体や観光団体が、芸能事務所のように「人気ゆるキャラ」を自力でプロデュースできるようになってきている。そのノウハウが蓄積されれば、やがては日本が不得意な「国際広報」にも役立たせられる。

 例えば、尖閣諸島や竹島という領土問題だ。

 ベタなネーミングだが、「せんかくん」とか「たけしまん」なんて「ゆるキャラ」をつくって国際社会でPRすればいい。

 バカバカしいと思うかもしれないが、ネット上では同じようなことを考える人も多いらしく、すでに「せんかくん」や「たけしまん」のキャラクターについて、ああだこうだと作品が発表されている。

 しかも、お隣さんもすでにやっている。

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