食の偽装が教えてくれた大切なこと投資4コマ漫画『カブ・ジェネレーション』

» 2013年11月23日 00時00分 公開
[雄山スズコ,Business Media 誠]

 阪急阪神ホテルズを皮切りに始まった食の偽装問題は、大手百貨店にまで広がりを見せています。パナメイエビやブラックタイガーが「芝エビ」「車エビ」に、成形肉が「国産和牛」に、中国産クリが欧州産クリに、普通の長ネギが九条ネギにと、夢のように姿を変えています。現場の調理人は目の前の食材と表記が違うことを分かっていながら、長年の慣習などでそのままにされてきたという背景もあるようです。

 店の利用客が怒るのは当然ですが、「高級な食材なんか使ったって結局分からないモンなのね」と苦笑する人も多くいます。個人的にはパナメイエビの存在価値を見直しました。

 この事件がきっかけなのか、街中の小さな飲食店でも一部のメニューが少し変わったところがあるという噂もちらほら聞きます。例えば、「愛情込めてじっくり煮込んだおふくろの味のおでん」というメニューがあったとしたら、これは変えるべきなのでしょうか。「クレアおばさんのシチュー」は? 「おばあちゃんのぽたぽた焼き」は? もしも人気の米菓「ほしたべよ」が「せんべいたべよ」にある日突然変わっていたらびっくりしますね。

 近ごろはアニメやゲームの世界とコラボした飲食店、特別メニューもあります。世界観を楽しむ場では嘘を嘘と知りながら雰囲気を味わうのがルールです。「これ本当は××くんが作ったお弁当じゃないよ」などと突っ込むのは野暮の極みです。

 一般客には分からないだろうと見越して食材を偽装するのは言語道断ですが、それとは別にユーモアをユーモアとして受け取れる余裕のある社会であってほしいものです。自分のお店にとって大切なのは、守らなければならないものは何なのか、お店を経営する人は常に自問していなければいけませんね。

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編集Hのつぶやき

東京ディ●ニーランドが千葉にある件は……。


著者プロフィール:雄山スズコ

漫画家兼投資家。政治経済ジャンルに主に生息。2004年から投資を始める。中国株、日本株、各種外貨資産などさまざまな金融商品で痛手を負うが、こりずに挑戦中。著書に『政治萌え!〜国会ゆるゆる観察日記』(司書房)、『国会萌えコメディ 政界のまんががこんなにユルいわけがない』(集英社)。ぷら@ほ〜むで『国会萌えコメディ政界のまんががこんなにユルいわけがない』を連載中。公式サイト「桃熊薬局」。著作一覧はこちら。カブ・ジェネレーション単行本『新感覚投資コメディ株に恋して』(中経出版)が11月26日に発売予定。「ハゲタカくんの華麗な日常」ほか描き下ろし漫画もたくさん。イベント参加情報:12月30日 東4ホール モ-17b。


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