土肥: パートワークというと、どうしてもデアゴスティーニを想像する人が多いと思うんですよ。イタリアに総本社を置き、世界33カ国で展開しているデアゴになくて、講談社にあるモノは何でしょうか?
奈良原: 講談社は総合出版社なので、コミック、週刊誌、女性誌など、さまざまなメディアを持っています。そうしたメディアと連携しながら、ムーブメントをつくっていけるところが強みと思っています。
また自社コンテンツもたくさんあるので、それに絡めた企画もできます。例えば、小説やコミックが映画化になれば、その作家さんと一緒に何かやるとか。この強みは生かしていきたいですね。
さらに、さまざまな自社メディアが日常的に、テレビ、映画、音楽、ゲームといったエンターテインメント企業とのつながりがあります。そうした企業は次に何を仕掛けようとしているのか。そんな情報を早くキャッチできるので、パートワークの“旬”な企画に生かしていきたいですね。
土肥: 奈良原さんの話を聞いて「パートワークって、大手出版社でないとやっていくのが難しいのかなあ」と思いました。海外勢ではデアゴ、アシェット……国内勢では小学館、集英社、朝日新聞出版などが展開していて、それなりに体力のある企業でないと、いい企画があってもなかなか実現できないのでしょうね。というのもパートワークは一度出すと、最後まで出し続けなければいけない。「売れないから、やーめた」では、毎号買っていた読者を裏切ることになる。そういう意味でも、この市場は大手しか生き残れないかもしれない。
あっ、そうそう、今回は大映ドラマの「赤いシリーズ」がヒットしましたが、二匹目のドジョウを狙っていますか? 大映ドラマにはたくさんのコンテンツがありますよね。私が中学・高校生のときには『不良少女とよばれて』『スチュワーデス物語』『スクール・ウォーズ』などがヒットしました。そうした作品が書店に並んでいると、ついつい買っちゃうかも。
奈良原: ノーコメントで(企業秘密)。
土肥: おお、よく分かりませんが、期待してもいいかもしれない。本日はありがとうございました。
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