住宅・不動産コンサルティングのハイアス・アンド・カンパニー株式会社が2015年1月に税制改正を控える「相続」に関する意識調査を実施し、20歳以上の男女2058名の回答を得ました。今回はその結果から予測される相続における課題について考えてみたいと思います。
1. 調査名:「相続に関する意識調査」
2. 調査方法:ハイアス・アンド・カンパニー株式会社の運営サイト上でのアンケート。選択式にて回答。
3. 調査期間:2014年2月8日〜2月16日
4. 有効回答数:2058名
(被相続人n=546、相続人n=1512)
(被相続人:20代1.3%、30代3.3%、40代11.4%、50代28.6%、60代以上55.5%)
(相続人:20代6.9%、30代19.2%、40代31.3%、50代30.3%、60代以上12.2%)
- できる限り配偶者には残したい 47.9%
- できる限り子どもには残したい 31.8%
- できる限り自分で使い切りたい 9.9%
- 誰ということではないが残したい 7.0%
- 自分の資産は自分(および配偶者)で使いたいから 40.4%
- 相続争いの原因を作りたくないから 30.5%
- 相続人に世話になった(なっている)代償だから 19.1%
まず、被相続人を対象に相続する資産に対する考えを聞いたところ、「できる限り配偶者には残したい」(47.9%)が最も割合が高く、次いで「できる限り子どもには残したい」(31.8%)、「できる限り自分で使い切りたい」(9.9%)という結果となりました。
その理由で最も多かったのは「自分の資産は自分(および配偶者)で使いたいから」が40.4%、次に多かった回答は「相続争いの原因を作りたくないから」(30.5%)でした 相続人である子どもたちのことを考えたときに、トラブルの種になるような資産を残したくないという考えが強いようです。
- 起こらないと思う 34.4%
- おそらく起こらないと思う 48.1%
- おそらく起こると思う 13.3%
- 起こると思う 4.2%
相続の際、もめ事は起こらないと思うかどうかを聞いたところ、「起こらないと思う」(34.4%)「おそらく起こらないと思う」(48.1%)を合わせて、8割強という結果でした。
- 何もしていない 81.0%
- 生命保険への加入 7.5%
- 遺言書 7.3%
- 生前贈与 3.1%
- 対策するほどの資産がないから 52.3%
- 時期尚早だと思うから 36.4%
- 対策の取り方が分からないから 10.0%
相続対策について聞いたところ「何もしていない」が81.0%と、圧倒的な割合でした。。また、対策を何もしていない理由は、「対策するほどの資産がないから」が52.3%と半数以上となりました。資産が多くないから対策はしていない、という人たちが多いようです。
- 財産相続トラブルを避けるためにやっておくべきこと
税理士に財産相続を相談するような場合でも、相続人と被相続人の間で十分な話し合いをしていないケースが多いことが分かった。スムーズな財産相続のためには、何が必要なのだろうか。タイムカレント調べ。
- 相続への関心、50代で高まるわけは?
三菱UFJ信託銀行が金融商品の保持者に対して“相続”への関心を調査したところ、リタイヤ後ではなく、50代から関心が大きく高まることが分かった。健康への不安や、相続トラブルの経験が主な理由だという。
- 相続? 消滅? 宙に浮く? ネット資産がユーザーの死後にたどる末路
ネットバンクの口座や電子マネーといったインターネット上の資産は、ユーザーが亡くなった後にどう処理されるのか。実際の状況をベースにひも解いてみよう。
- 財産相続の方法「具体的に検討している」は親子共に1割未満
税制改正によって2015年から相続税も増税になったが、家族で財産相続についてどのくらい話し合っているのだろうか。財産相続の方法について検討したことがあるかどうかを聞いた。旭化成ホームズ調べ。
- 相続、いくらもらってるの?
相続を受け継いだ人は、どのようなものをもらっているのだろうか。5年以内に相続を受けた人に聞いたところ、やはり「現金、現貯金」が最も多く、次いで「不動産」だった。フィデリティ退職・投資教育研究所調べ。