そんなインドで今、総選挙が行われている。2014年4月7日に始まり、1カ月以上にわたって各地で投票が実施される。そして5月16日に開票が行われる予定だ。今回の選挙ではこれまでインドの舵取りを行ってきたインド人民会議派が敗れ、ヒンドゥー至上主義の流れをくむインド人民党(BJP)に政権交代するのが大方の見方だ。
「Poo2Loo」キャンペーンのタイミングを見ると、もしかしたらユニセフは公衆衛生問題を選挙の争点の1つにしたかったのかもしれない。国民が参加する総選挙でこの問題が大きく取り上げられ、例えば立候補者の公約になれば、啓蒙活動としては大成功になる。
ただ今のところ、公衆衛生が選挙で大きく取り上げられることはなさそうだ。それよりも最大の争点は、経済学者だったマンモハン・シン首相でも頭を抱える“経済停滞”を次期政権がどう好転させるかだ。さらに、大きな争点がもう1つある。汚職撲滅だ。
しかし、残念ながら選挙自体がすでに汚職にまみれている。相変わらず、候補者らが票を買うために使う現金や贈り物が、見事に飛び交っているのだ。3月5日に選挙活動がスタートしてからこれまでに、選挙管理委員会は全国で買収目的の現金3250万ドルと、270万リットルの酒を押収している。
そんなカネがあるなら、トイレの1つくらい作ればどうかと思ってしまう。インドを良くするために立ち上がった議員候補なら、なおさらではないか。そうすれば、衛生状態が改善されて国民の生産性も向上するはずだ。一朝一夕では無理かもしれないが、生活水準も向上し、さらに国は活性化するだろう。
トイレがインドを救う可能性を、インドには一刻も早く気づいてほしい。
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