インタビュー
» 2014年06月11日 07時35分 公開

仕事をしたら“味”を分析できるようになった:インスタントコーヒーの味は、なぜ“飽きる”のか (2/5)

[土肥義則,Business Media 誠]

日本人の味覚は大きく変わった

AISSYの鈴木隆一社長

鈴木: ある文献によると「焦げ臭くて味わうに堪えず」と記されているんですよね。奇妙な味だったので、警戒本能が働いたのではないでしょうか。

 最初に飲んだ人から「焦げ臭い」と評されたコーヒーですが、やがて日本でも洋風の食生活の憧れから、特に戦後飲まれるようになりました。200年前の役人が全くおいしいと感じなかったコーヒーが、今は「おいしい」と感じている人が多いということは、「日本人の味覚が大きく変わった」と言えるでしょう。

土肥: 日本人の味覚が大きく変わったということですが、コーヒーの好みも変化してきているのではないでしょうか。例えば、30年ほど前、自販機でコーヒーを買おうと思っても、甘いタイプのモノしかありませんでした。駅の売店でも、サラリーマンが腰に手を当てて、ビンに入ったコーヒー牛乳を飲んでいる姿をよく目にしました。しかし、今はそうした光景を見ることはほとんどありません。

 では、どんなコーヒーを飲んでいるのか? 自販機では、甘いコーヒーがどんどん減っていき、今では微糖やブラックが主流になりました。また、外でコーヒーを飲む場合、昔は喫茶店くらいしかありませんでしたが、今ではコーヒーチェーン、コンビニ、ファストフード、ファミレスなど、いろんなところで飲めるようになりました。前回、味覚センサーで分析していただいたとおり、味もさまざま。ということは、ここ数十年、いや、数年を振り返ってみても、日本人のコーヒーの好みも変化したと言えるのでしょうか?

鈴木: 変化していますね。ご指摘のとおり、コーヒーをそのまま……つまり、ブラックで飲む人が増えてきたのではないでしょうか。では、なぜ味覚は変化するのか。コーヒーというのはカフェインの効果もあって、飲むと落ちつくことができる。もともと人間はコーヒーの苦味や酸味が好きではないのに、何度も何度も飲むことで学習するんですよね。そして、ある日、「おいしいなあ」と感じることができるんですよ。

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