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» 2014年07月01日 08時00分 公開

その「贈りもの」、誰のため? もしかして「自分へのごほうび」?博報堂生活総研・吉川昌孝の「常識の変わり目」(2/2 ページ)

[吉川昌孝(博報堂生活総研),Business Media 誠]
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「自分へのごほうび」はいつ頃から?

 「自分で自分をほめたいと思います」──この有森裕子さん(元マラソン選手)の言葉が流行語になったのが、1996年。今でも「この年一番の流行語」と評されています。この流行語や、自分へのいいわけといった「自分への一言エクスキューズ」の広がりが「自分へのごほうび」行動の割合を伸ばしていったと考えます。

 また、国勢調査によると、単独の世帯が両親+子世帯の数を抜き、最も多い世帯タイプとなったのが2006年です。ちょうど「他人へから自分へ」常識の変わり目として示した頃と重なりました。ひとり暮らしでなにかとつらいなと感じる自分に「おつかれさま」の意味を込めて、何かを買う行動が増えたのではと思います。

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 さらにここ数年、“空気読めない(KY)”に代表される、他人に気を使うメンタリティが主流になりつつあることも影響しているのではないでしょうか。いろいろ考えて他人にあげるより、自分で自分にあげる方が気楽だし、そもそも自分の欲しいものがもらえる……。そんな風に感じているのかもしれません。

 これからも単独の世帯は増えますし、空気を読むメンタリティも弱まることはなさそうです。父の日、母の日もますます当たり前になっていくでしょうし、企業の虚礼を廃する傾向も変わらないでしょう。つまり、2006年から2008年にかけて逆転したこの贈答の心理は、当分このままの傾向が続きそうです。

 ですが、友人・知人・お世話になった先輩などへ“タイミングよく、ちょっとしたお祝いの言葉や贈り物をする”ことが増えて、疲れてくるとどうでしょうね。今度は逆に、フォーマルなお中元やお歳暮が復活する未来もありそうです。「SNS疲れ」はお中元復活の隠れたカギかもしれませんね。


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