インタビュー
» 2014年07月23日 08時00分 公開

業務提携ってどのように進めるの? JALの達人に“交渉術”を聞いてきた仕事をしたら“交渉”が成立した(2/7 ページ)

[土肥義則,Business Media 誠]

コードシェアについて

電子掲示板。ソウル行きの便をJALが運航している

 カムチャイパイさんの話をうかがう前に、コードシェアについて説明しよう。「そんなことは知っているよ。早く彼がどんな仕事をしているのか知りたい」という人はこちらから“飛んで”いただければ。

 かつて「共同運航」「共同運送」などと呼ばれていたコードシェアとは、どのような仕組みで運航されているのだろうか。コードシェアでA社の飛行機を使う場合、A社のパイロット、A社の客室乗務員が運航に携わる。つまり、他の航空会社のスタッフが運航やサービスなどに携わることはない(昔は、A社の飛行機にB社のスタッフが乗務することもあったが、現在はない)。

 コードシェアの予約には「ブロック・スぺース」と「フリーフロー」の2つの方式がある。ブロックスペース方式とは、コードシェアを運航するA社から、一定数の座席数をB社が買い上げ、B社の座席として販売。B社で買い上げた座席数が一杯になれば、運航会社(A社)に座席があっても満席と表示される(逆も同じ)。

 一方のフリーフロー方式とは、B社が一定数の座席を買い上げることはせず、運航会社(A社)に空席が出ていれば、客はB社のコードシェア便として予約できる。ブロック・スペース方式は席が余ったり、足りなかったりすることがあるが、フリーフロー方式は飛行機の空席がなくなるまで客は予約することができるのだ。フリーフロー方式のほうが航空会社にも客にもメリットがあるので、現在ではこちらの方式が主流となっている。

 次に、なぜコードシェアが誕生したのかを説明しよう。航空会社のメリットとして、自社が運航していない、または規制などで運航できない路線や地域に向けて、ネットワークを拡大できることが挙げられる。例えば、JALの便は、日本からロサンゼルス空港に飛ぶことはできるが、そこからボストン空港に飛べない。しかし、アメリカン航空はロサンゼルス―ボストン間を飛んでいるので、コードシェアを使ってJALの便として販売することができるのだ。

 客側のメリットは前述した通り、カウンターで予約手続きが一括でできる。また、手荷物を目的地まで運んでもらえるほか、航空券は1枚のみ。利用区間、航空会社ごとに別の航空券を用意する必要がなく、見知らぬ地域の路線でも使い慣れた航空会社を通して予約することができる。

 一方で、注意する点もある。航空券の記載便名と、実際に運航する航空会社が異なるので、チェックイン窓口や手荷物の制限などに違いがある。例えば、成田空港を利用する場合、「JALなので第2ターミナルでチェックインすればいい」と思っていたら、「運航会社はベトナム航空なので第1ターミナルだった」というケースもあるので、事前によく確認しておかなければいけない。また、航空会社によってマイルの加算ルールが異なっていたり、運航会社からチケットを買うほうが安いこともあるので、「自分にとってはどれがオトクなのか」を確認してから購入したほうがいい。

 さて、コードシェアの説明についてはここらへんで終えて、そろそろカムチャイパイさんの話を紹介しよう。海外の航空会社と提携するにあたって、どのような交渉をしているのか。高層ビルの見晴らしのいい部屋で、役員たちが契約書に署名をして、握手する……といった映画のようなシーンは実際にあるのか。つづきはこちらから。

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