あなたは「ボトルネック上司」になっていないか、チェックしてみませんか?サカタカツミの新しい会社のオキテ(2/3 ページ)

» 2014年10月27日 08時45分 公開
[サカタカツミ,Business Media 誠]

すべてが偽りの優秀さで作られているタイプ

 まず「すべてが偽りの優秀さで作られている」上司。このタイプは、見分けが難しいのが特徴です。仕事ができるという雰囲気を漂わせている。発言の端々に、できる人が使いそうなキーワードが散りばめられている。いつも自信にあふれていて、周囲も「あの人はデキる人」と評価している、という感じでしょうか。ただし、雰囲気だけで中身が伴っていない人だと、プロジェクトで大事な仕事を任せてしまった途端、破綻してしまいます。

 一見、優秀そうに見えるので、キーマンとしての役割が与えられているケースが多いのです。本当なら、こういう人はあっという間に見抜かれて、大事な仕事にはアサインされなくなるのが健全な組織だと思いますが、実際はそうでもないようで。うまくいかなかったことを、また雰囲気たっぷりに説明し、その経験を生かすという理由で、次のプロジェクトに招集されていく。こうして、不幸の連鎖は断ち切れないままなのです。

同じ視野で物を見ることができない人は、ボトルネックになりがち

 次に「頭が切れすぎて視野がまったく違う」上司のケース。これも組織に不幸を生みがちです。全員で目線を合わせようと思っても、その人だけまったく違う場所が見えているので、話が噛み合わない。プロジェクト内で大事なことを決定しようと思っても、ひとり違う場所を見ているので、決められない。本人にとってはそこが大事なのであって、みんながいま決めようとしていることは大きな問題ではないのだ、というタイプです。

頭が切れすぎて、ひとりだけ違うところが見えている上司も困る

 ただ、こういう人の扱いが難しいところは、「その人の指摘は重要であることも多い」という点です。プロジェクトの円滑な進行という視点ではボトルネックになったとしても、より成果を出すためには、とても役に立つことがあります。こういう上司の指摘によって結果的にプロジェクトが救われた、というケースも多いのです。役割を上手く与えられればいいのですが、往々にして「誰よりも仕事ができる」人である可能性が高いので、関わる人すべてが振り回される存在になるようです。

忙しすぎる人は罪作りであることを自覚していない

 最後に「優秀すぎて仕事が忙しすぎる」上司について。この人たちはとても罪作りです。優秀なので、様々なプロジェクトを兼務しており、「たくさんのお座敷がかかっている」状態です。スケジュールを見せてもらうと、出席する必要のある会議だらけ。それこそ、会議室から会議室を飛び回っていることも多い。

 度を超えて忙しくなってしまうと、さまざまな案件の諸処の事情をすべて理解できており、適切な発言ができるなどという人は、よほどのスーパーマン以外は存在しません。なので、時々議論に参加しては思いつきの発言をして、周囲を混乱に陥れることになってしまいます。このタイプは、組織でもかなりの役職についていることが多いので、その発言は軽視できない。本人は深く考えずに発言している場合でも、周囲は「その意向に沿うためには、何をすべきなのか考える」という仕事が、新たに発生してしまいます。

 そして、次の会議で意向に沿う内容を提示すると「え、そんなこと言ったかな」的な発言をするので、みんなガッカリ……という、文字通りのボトルネックぶりを発揮してしまう。ただ、本人は周りに迷惑をかけているとは自覚していないケースがほとんど。なぜなら、忙しすぎてそんなことも忘れてしまうからです。

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