インタビュー
» 2014年12月10日 08時00分 UPDATE

仕事をしたら"脇役”が主役になった:台湾でヒットしたのは代打「モスライスバーガー」……知られざる歴史に涙 (6/7)

[土肥義則,Business Media 誠]

一難去ってまた一難

yd_mos8.jpg ライスバーガーはコメの表面に醤油を塗って、さーっと焼く

土肥: ようやくライスバーガーが完成したわけですね。商品開発って大変ですね。

モス: いえ、まだまだ。いろいろな問題が出てくるんですよ。開発担当者は「形は○型がいい」とか「△型がいい」とかいろいろ言っていたのですが、誰も作ったことがないモノなのでうまくできませんでした。どうしようか……となったときに、たまたま寿司ロボットを開発しているメーカーに相談したところ「できるかもしれない」という返事がありました。

 寿司ロボットというのは、炊き上がったコメを機械に入れると、シャリができあがるというモノですね。メーカーに「すしのシャリではなく、円盤状にできないか」と相談したところ、「できる」とのこと。こうして、いまのライスバーガーの原型ができました。寿司ロボットを作っているメーカーがなければ、ライスバーガーの開発はもっと遅れていたでしょうね。

土肥: いやはや、開発は大変。それで日本で発売して、今でも定番商品として残っているわけですね。

モス: いえ、また新たな問題が出てきました。コメをうまくくっつけることができなかったんですよ。機械を使って、1回でぎゅーっと押さえると生産性はよくなるのですが、コメがつぶれてしまう。じゃあ弱く押さえたらうまくいくのではと思ってやったところ、コメがくずれてしまう。コメの炊き方と圧力のかけ方にかなり苦労しました。コメをくっつけるモノはあるのですが、それは使えません。

土肥: ん? なぜですか?

モス: 会社の方針として「ヘンな添加物は使わない」と決めているからです。安心安全な商品を提供するためには、そうしたモノを使わずに開発しなければいけません。

土肥: 強いチカラで押さえるとコメがつぶれてしまう。弱いチカラだとコメがくずれてしまう。じゃあ、弱いチカラで何度も押さえればいいのではないでしょうか?

モス: もちろん、その方法を試してみました。でも、その方法だと生産性が悪い。そこでどうやったかというと、焼きおにぎりを参考にしたんですよ。焼きおにぎりは、外はカリッとしていますが、中はふんわりしていますよね。この発想で、コメの表面に醤油を塗って、さーっと焼くんですよ。そうすると香ばしさが出て、中のコメ粒はきちんと残る。ものすごく苦労したのですが、なんとか開発することができました。

土肥: いまもその工程は変わらないのですか?

モス: 基本は変わらないですね。

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