土肥: 今日は「飛行機は本当に安全なのか」をテーマに話をうかがいたいのですが、まず基本的なことから聞かせてください。小型のセスナ機などを除いて、飛行機ってパイロットが2人いますよね。かつては3人体制のころもあったと聞いていますが、その後、飛行機の安全性が高まって2人になった。さらに技術が進化すれば、1人体制の時代もやってくるのでしょうか?
船越: 通常、飛行機は2人のパイロットが操縦していますが、そのうちの1人が急病になった場合、どうしているのか。こうしたケースでも心配はいりません。飛行機にはなんらかの異常が発生すればコンピュータが知らせてくれるシステムが構築されているので、実は1人でも飛ばせることができるんですよ。
土肥: 例えば、1人がトイレに行ったときにはどうしているのですか?
船越: そういうときには「緊急事態」として備えるようにしています。どういうことかというと、パイロットにとって一番怖いのは「急減圧」が起きたとき。急減圧が起きると空気濃度が下がってしまう。高度によって違うのですが、高いところだと15秒ほどで気を失ってしまう。気を失わないためには、酸素マスクを着用しなければいけません。パイロットの1人が着用に時間がかかっても……もう1人がいますよね。
土肥: 2人とも意識を失う確率は低い……という考え方ですね。
船越: パイロットの1人がトイレに行ったときに、急減圧が起きたら大変な事態を招くかもしれません。そうした状況にならないように、操縦しているパイロットは酸素マスクを着用しなければいけません。
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