注目されているカープの中で、注目されていない監督に迫る赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)

» 2015年03月26日 08時00分 公開
[臼北信行Business Media 誠]

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


広島カープは12球団の中で最も注目されている

 いよいよ今年もプロ野球が開幕する。セントラル、パシフィックともに3月27日から熱き戦いが始まるが、その12球団の中で最も戦いぶりに注目が集まりそうなのはやはりセの広島カープかもしれない。1991年のシーズンでリーグ優勝を成し遂げたのを最後に昨季まで実に23年間に渡って栄冠から見放されている。12球団の中において現在まで最も長期間に渡り、リーグ優勝できずにいるチームとなってしまっているが、今オフはヤンキースからOBの黒田博樹投手が8年ぶりに復帰したことで「今年こそは」と悲願のリーグVを確信する鯉党もきっと多いことだろう(関連記事)

 黒田だけではない。阪神からFAとなった新井貴浩内野手も今季から古巣へ同じく8年ぶりにUターン復帰。さらに広島のフロントは2007年のシーズンを最後に現役を引退したOBの佐々岡真司氏をも、8年ぶりに二軍投手コーチとして呼び戻した。酸いも甘いもカープを知り尽くす3人が8年の時を経て再び加わったことで若鯉ナインもさまざまな要素を吸収できるのは間違いなく、一・二軍を通じてチーム全体にいい意味で劇的な変化がもたらされそうだ。

 さて、そんなラジカルな進化を遂げそうな予感が漂うカープを今季から指揮するのが緒方孝市監督である。しかし今年の広島といえば、どうしても話題が黒田に集中していることもあって指揮官にはなかなか注目が集まらないのが現状。しかも緒方監督は他の指揮官と違って心なしか地味な印象が強く、キャンプ中も地元メディアを除いてマスコミから大きくクローズアップされることは「皆無」に等しかった。ところが当の緒方監督は次のように語り、笑い飛ばしている。

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