店舗の来店客なら売り場を見ながら「アレはないのか……。じゃあコッチにしておくか」と瞬時に判断ができるが、このシステムでは、売り場全体を見渡すことはできない。配達先でリアルタイムに更新されるデータを見ながら注文ができるとはいえ、仮にレジを通していない商品を店内のお客さんが手にしていた場合、在庫のデータと現状に“ズレ”が生じることになり、「これある?」「ないです」を繰り返す可能性がある。このやり取りは、通常の来店時よりも“品切れ感”を強調してしまうだろう。
こうしたことが繰り返されクレームとして問題視された場合、店舗は「お買い物サポート」で得られるメリット以上のデメリットを受けるだろう。果たして、そのようなサービスは定着するだろうか。
新しいサービスをいろいろと考察したが、SGローソン社の取り組みは“コンビニデリバリー”というサービスに一石を投じた。少子高齢化による買い物難民や過疎化が現実のものとなった今、昔ながらの御用聞きスタイルは利用者にとって大きなメリットと言える。
しかし、である。これまで述べてきたように、現場の“負担”が増し、“混乱”が続けば、このサービスは広がらないのでは――、筆者はそう分析している。
コンビニのデリバリーが、なかなか浸透しないワケ
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「コンビニバイト募集 初心者歓迎」この言葉の裏にある“怖い事実”Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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