トヨタ自動車と“奇食の聖地”の関係:誠 Weekly Access Top10(2009年1月31日〜2月6日)
59年ぶりに最終赤字を出す見通しとなったトヨタ自動車。東海地区の発展を引っ張ってきた企業だけに、同地区のほかの業界に与える影響も大きいはずだ。
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先週最も読まれた記事は「東大生のノートは本当にキレイ? いや、そもそもノートを取ってない」。2位は「1人2万円の定額給付金、女子中高生は何に使う?」、3位は「新型ハイブリッド車「インサイト」は売れる? “プリウス市場”に挑むホンダ」だった。
トヨタ自動車と奇食の聖地「喫茶マウンテン」
昔、フード業界の人から「景気が良い時には『奇食』が流行する」という話を聞いたことがある。『奇食』とは通常ではありえない組み合わせの料理(アイスクリームラーメンや納豆コーヒーゼリーサンドイッチなど)のこと。景気が良くて懐に余裕があると、生きるために必須ではないものにもお金を振り向けられるということだ。
そういう意味で、筆者が個人的に気になった記事は「トヨタ自動車、59年ぶりの最終赤字見通し――販売不振で今期3度目の下方修正」。なぜ“そういう意味”かというと、トヨタ自動車の本社がある愛知県には“奇食の聖地”と呼ばれる「喫茶マウンテン」があるからだ。喫茶マウンテンは、「甘口抹茶小倉スパ(抹茶味のスパゲティを小倉あずきと生クリームでトッピング)」や「甘口イチゴスパ(いちご味のスパゲティをいちごと生クリームでトッピング)」といった斬新(?)なメニューでカルト的な人気を誇る店である(普通の料理もある)。
奇食をウリにした喫茶マウンテンの成長の背景には、スタッフの努力があることは間違いないだろうが、トヨタ自動車がもたらした東海地区の好景気で懐に余裕のある人が多かったこともあるのでないかと筆者はにらんでいる(学生もバイトなどを通じて恩恵は受けられる)。そのため、今回の不況でのトヨタ自動車の大減速が、喫茶マウンテンにも影響を与えるのではないかと筆者は心配しているのだ(トヨタ自動車の本社がある豊田市と喫茶マウンテンがある名古屋市は少し離れているので、ちょっと大げさかもしれないが)。
トヨタ自動車の時価総額は日本企業1位の11兆円と、東証一部の時価総額の4.3%ほどを占める(2月9日終値時点)。日本全体からみてもそれだけの大きさがあるのだから、業績悪化が東海地区に与える影響ははかりしれないものがあるだろう。事実、東海地区を中心に高級品のリサイクルデパートを展開するコメ兵の1月次売上高は、前年同月比マイナス27.5%と消費意欲は大きく減退している。
しかも、マイボイスコムの調査によると2009年に節約したいものの1位は「外食」だという。奇食ファンの1人としては、100年に1度の不況を喫茶マウンテンが乗り越えられるよう祈るばかりだ。
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