化粧品のバーコードからスマートフォンユーザーを取り込め――ドクターシーラボの場合:O2Oマーケティング最前線
化粧品のパッケージに印刷されているバーコード。これをスマホアプリで読み込むと、その使い方動画が表示される仕組みをドクターシーラボが始めた。
基礎化粧品やスキンケア商品を取り扱うドクターシーラボ。中心となる顧客層は30〜40代の女性で、Webサイトや会報誌による通販での利用が多い。3月15日、同社はスマートフォン向けバーコード読み取りアプリ「バーコードリーダー/アイコニット」を使った新たな取り組みを始めた。
ユーザーのスマートフォンシフトに対応せよ
ドクターシーラボによれば、携帯電話(フィーチャーフォン)からの通販申し込みは少なくない。ところが、必ずしもバーコード読み取り機能が標準で搭載されていないスマートフォンへの移行が進んだため、QRコードからの流入が減少していたという。
同社マーケティング部eコマースグループでグループ長を務める西井敏恭氏は、ここに新たな商機を見出した。「QRコードからの流入が少なくなってきたため、会報誌などからの流入が簡単にできるほかの手段を探していました」
その取り組みの1つが、ユーザーが商品に記載されたバーコードをスマートフォンで読み取ると、その利用方法を紹介した動画が再生できるサービスだ(3月15日現在、「アクアコラーゲンゲル エンリッチソフト EX」のみ対応)。動画以外にも、商品購入サイトへの誘導やクチコミ、キャンペーン情報などを提供する。
また、通販利用者はWebサイトや会報誌を読みながら申し込むという。そこで、チラシやダイレクトメールなどはQRコードを印刷する予定だ。リピーター用には動画やキャンペーン情報を、新規顧客には無料サンプルの申し込みサイトへの誘導といった具合に使い分ける。
これらの仕組みを支えているのが、アプリの開発元であるメディアシークが提供するスマートフォン向けO2Oプラットフォーム「AppCMS / ICONIT アイコンマネージャー」だ。バーコードリーダーアプリと組み合わせることで、スマートフォンユーザーがバーコードを読み取った際に提供する情報を自由に組み合わせられるという。
「アイコニットを採用した理由は、それを使った施策が面白そうだと感じたからです。また、バーコードリーダーアプリが、auの『INFOBAR A02』『VEGA』『URBANO PROGRESSO』など、いくつかのスマートフォンにプリインストールされていた点も、自社の独自アプリを普及させるよりハードルが低いと思いました」(西井氏)
ドクターシーラボでは、今回のスマートフォン向けサービスの提供を、会報誌など他の媒体からスマートフォンへの流入が簡単にできる手段のひとつとして期待しているという。
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