検索
連載

「お世話になっております」は言わなきゃいけない?日本人が気づいていないヘンな日本語(2/2 ページ)

「いつもお世話になっております」はビジネスシーンでよく使う定型文。特に親密な関係でもない人からのメールにも付いていたりして不自然なこともあるが……? 第5回は、日常的に使う儀礼文について勉強していこう。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

「よろしくお願い申し上げます」の意味は?

book
『日本人が気づいていないちょっとヘンな日本語』(アスコム)

セイン:同じようにとまどってしまうのが、文末の「よろしくお願い申し上げます」です。何かを頼まれたのなら納得ですが、そうでないときは考えてしまいます。これは、ただのあいさつと考えていいのでしょうか。

長尾:若い人の年賀状で「あけおめことよろ」と書いたものがあります。「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」を省略したもので、「儀礼文だから省略しちゃうよ」という茶目っ気を感じます。

 ビジネスメールやビジネスレターで使われる文末の「どうぞよろしくお願い申し上げます」も、ほとんど儀礼文と化しているものが多いようです。ですが「いつもお世話になっています」と同様に、心がこもっていないと無味乾燥に感じられるかもしれません。1歩踏み込んで、何をお願いしたいのかを具体的に書くとずいぶん印象が変わります。少し例を挙げてみましょう。

  • 「ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます」

これは納品書や請求書、見積書を送ったときに使うといいでしょう。

  • 「ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます」

これは企画書や提案書のときに使えそうです。

セイン:よく似た表現で、ミーティングが終わって別れるときなどに「○○さんによろしくお伝えください」と言うことがありますね。あれを言われたら、どう伝えればいいんでしょう。そのまま「よろしく」ではヘンですよね(笑)。

長尾:その人に、気にかけていることを知らせるための伝言ですから「よろしく言ってたよ」で充分だと思います。目上の人には「××さんが、よろしくとのことでした」でしょう。仮に忘れたとしても、面倒なことにはならないと思いますよ。

(つづく)

banner
前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る