コラム
「106万円の壁」を解説――サラリーマンの夫を持つパート主婦必見:マネーの達人(2/2 ページ)
夫の税金が軽減される配偶者控除制度だが、平成28年10月施行の法改正で、社会保険における被扶養者の認定基準が、年収130万円未満から年収106万円未満に引き下がる。今回は「106万円の壁」について考えてみよう。
夫の扶養範囲内で働く3つのポイント
ここで社会保険において、今後も夫の扶養範囲内で働くための条件を考えてみよう。
- 労働時間を週20時間未満、かつ年収を130万円未満にする
- 労働時間が週20時間以上30時間未満の場合、年収を106万円未満にする
- 企業規模500人以下の会社で、労働時間を週30時間未満、かつ年収を130万円未満にする。
上記3つの条件を表にまとめた。色付け部分が今回の法改正にあたる部分だ。健康保険が夫の扶養である場合と、年金が第3号被保険者である場合は、妻の保険料負担はない。
求められるのは、106万円の壁にこだわらない働き方
今後は、夫婦の実質的な合計手取り額が増えるように、106万円の壁にこだわらない働き方を選択することが賢明であろう。“壁”にこだわることなく働いて妻自身が保険料を払えば、老後の年金収入増も見込めるからだ。
- 夫の年収が400万円以下の場合、妻のパート収入は約122万円以上
- 夫の年収が600万円以下の場合、妻のパート収入は約124万円以上
- 夫の年収が1000万円以下の場合、妻のパート収入は約126万円以上
(※パート先の社会保険料、夫の収入、家族構成など諸条件により誤差がある)
106万円の壁を越えても実質働き損が出ないような妻のパート収入を覚えておくと良いだろう。概算ではあるが、世帯収入がアップするラインを夫の年収別に計算したので参考にしてほしい。(長沼満美愛)
著者プロフィール:
長沼満美愛
神戸女学院大学英文学科卒業後、損害保険会社に就職。長期保険(積立、年金、介護)に特化した業務を担当。必要となった社会保険、相続、税務の知識を資格化するために退社後CFPを取得。
塾講師、家庭教師の豊富な経歴を生かし、“誰でも分かるFP講座講師”、“親身なFP個別相談”を目指している。
日本FP協会「2008年 くらしとお金のFP相談室」担当相談員。現在、大学や資格の学校にて資格講座の講師活動中。
保有資格:CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
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