「NOTTV」100万契約の課題/国産Android 4.0スマホの中身/iモード・spモード純減の理由:石野純也のMobile Eye(2月6日~2月17日)(2/2 ページ)
2月6日から17日にかけての2週間で最も大きな話題を集めたのは、mmbiのNOTTV開局とその放送を受信できる新製品の発表だろう。秋に披露されていた春モデルが続々と発売し始めているのもトピックだ。また、1月の純増数でspモード/iモードが純減したカラクリをひも解いていきたい。
純増数発表で分かったiモード/spモードの純減、ホントの原因は?
7日には電気通信事業者協会(TCA)が、1月の携帯電話純増数を発表した。既報のとおり純増数1位はソフトバンクモバイルで、22万6600となる。2位のKDDIは18万1100の純増で、MNPのポートインは全キャリアで最多となる5万3300だった。その他のキャリアについては、以下の数値を参照してほしい。
グループ名 | 2012年1月純増数 | 累計 |
---|---|---|
NTTドコモ | 8万5800 2in1:-1万1200 |
5971万200 2in1:30万8000 |
KDDI | 18万1100 | 3447万9000 |
ソフトバンクモバイル | 22万6600 DN:-900 |
2806万1900 DN:2万5600 |
イー・アクセス | 非公開 | 非公開 |
携帯総計 | 49万3500 | 1億2225万1100 |
この発表では、ドコモのISPサービスであるiモードやspモードが純減していたことも話題を呼んだ。原因を端末のラインアップや1月に発生した通信障害に結びつける声も聞こえてきたが、実は純減の仕組みはもっとシンプルだ。大きな理由は、spモードの契約形態の変化にある。2011年11月18日にドコモは「dメニュー」を開始し、同時にiモードからマイメニューの引き継ぎが可能になった。このタイミングで、spモードの契約が2種類に分かれている。ドコモ広報部によると、「spモードには、iモードを同時に契約できるタイプと、spモード単独でしか契約できないタイプが存在する。マイメニューの引き継ぎなどができるのは後者のspモード」とのことだ。一部ドコモのサービスも、新spモードでしか利用できない。
もちろん、前者の旧spモードもそのまま残っており、「店頭でもお客様の意向に合わせた案内をしている」(広報部)が、実際にはiモードの契約を残すユーザーは、秋冬モデル登場以降、徐々に減っているようだ。ドコモも「スマートフォンのご利用が浸透した結果、iモードを外す方が増えている」(広報部)と認める。「ISPセット割」が適用され、spモードを単独で契約する場合と料金が変わらなかったため、“保険”として2つをセットで利用するユーザーが多かったが、その必要がなくなってきたというわけだ。特に秋冬モデルのラインアップが充実してきた1月に、こうした傾向が顕著に表れ、純減につながってしまったと考えられる。逆に、1回線につき2契約のISPがカウントされていた今までの純増数が、実態を正確に反映していなかった数値ともいえそうだ。
いわゆる携帯電話やスマートフォンの範ちゅうに収まらない商品も増えており、純増数がキャリアの勢いを正確に示す数値ではなくなりつつあることは多方面で指摘されている。以前は比較的実情に近いと考えられていたISPの契約数についても同様で、何を示すデータなのかが分かりにくくなっている。業界を挙げて、キャリアの勢いを表す、新たな指標を作るべき時期が来ているのかもしれない。
関連記事
NOTTV、4月1日に開局――50超の番組を用意
mmbiが提供する携帯端末向けマルチメディア放送局「NOTTV」が、4月1日に開局。50超の番組が用意され、リアルタイム放送とシフトタイム放送を楽しめる。画質、連続視聴時間は? 録画やテレビ出力はできる?――NOTTVの“ここ”が知りたい
4月1日に開局する「モバキャス」の放送局「NOTTV」。実際の使用感はどうか。発表会場で展示されていた体験アプリを試したほか、料金、コンテンツ、アプリの使い勝手などをまとめた。NEXTシリーズ:モバキャス「NOTTV」対応のAndroidスマホ――「AQUOS PHONE SH-06D」
ドコモが4月1日から放送を開始するモバキャス(携帯端末向けマルチメディア放送)に対応したAndroidスマートフォン「AQUOS PHONE SH-06D」を発表した。デュアルコアCPUを搭載したシャープ製のハイエンドモデルだ。ドコモ タブレット:Xi&NOTTV対応、WXGA液晶の防水7インチタブレット「MEDIAS TAB N-06D」
ドコモのNEC製タブレット「MEDIAS TAB N-06D」は、Xiやマルチメディア放送「モバキャス」による「NOTTV」の視聴に対応した端末。7インチの薄型防水ボディにAndroid 2.3、1.2GHzデュアルコアCPUを詰め込み、こだわりの音響技術も盛り込んだ。Android 4.0搭載の「AQUOS PHONE 104SH」、2月10日から予約受付
Android 4.0を搭載した国産スマートフォン「AQUOS PHONE 104SH」の予約受付が2月10日から始まる。事前に購入宣言をして3月11日までに購入し、専用サイトで登録を済ませると、モバイルバッテリーをプレゼントするキャンペーンも実施する。Android 4.0で最高のパフォーマンスを――シャープが「AQUOS PHONE 104SH」で目指したもの
Android 4.0を搭載する「AQUOS PHONE 104SH」が間もなく発売される。シャープのスマートフォンにはこれまで日本のサービスを盛り込んできたが、104SHではそのスタンスを変え、パフォーマンスや使い勝手を特に重視した。写真と動画で解説する「AQUOS PHONE 104SH」
Android 4.0をベースにシャープ独自の工夫を施した「AQUOS PHONE 104SH」。これまでのモデルから何が変わったのか。操作感はどうか。2月9日の説明会で確認した内容を実機で紹介しよう。KDDIが4カ月連続でMNP首位、ウィルコムが450万契約を達成――2012年1月契約数
2012年1月の携帯電話・PHSの契約者数が電気通信事業者協会(TCA)から発表された。ソフトバンクが22万契約を獲得し純増1位に復帰、またMNPはKDDIが5万件以上の転入で4カ月連続のトップを守った。石野純也のMobile Eye(1月6日~1月19日):ソニー製品との融合が進む新生「ソニーモバイル」、ゲームチェンジを目指すKDDI
2週間を振り返り、モバイル業界で特に注目度の高いニュースを厳選して解説する連載がスタート。今回は2012 CESで発表されたSony Ericssonの新社名と新製品、数々の新サービスと新機種が披露されたau発表会、WCPが説明したAXGPサービスをピックアップした。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.