スマホのカメラ×画像認識技術で手軽に情報入手――NECの「GAZIRU」:ワイヤレスジャパン 2012
街中で見かけた車が気になるけど、車種が分からない――そんなときに役立つが、NECが開発を進めている画像認識技術「GAZIRU」だ。スマートフォンのカメラで撮影すると、画像認識結果にもとづいた情報が送信される。
ワイヤレスジャパン 2012のNECブースでは、同社の画像認識技術を用いた「GAZIRU(ガジル)」というサービスが来場者の注目を集めていた。このサービスでは、スマートフォンなど携帯電話のカメラで撮影すると、画像認識結果にもとづく情報がユーザーに送信される。NECの画像認識技術は、これまで指紋認証や顔認証などの分野で活用されてきたが、食品、自動車、建物、印刷物など、より汎用的な用途で使ってもらうためにGAZIRUが開発された。
2011年のCEATEC JAPAN 2011では、ドコモがスマートフォンのカメラで撮影した料理の画像を送信するとカロリーが分かるサービスを紹介していたが、これにもNECの画像認識技術が使われている。GAZIRUではこうしたダイエット支援に加え、街中にある物をカメラで読み取ってユーザーが情報を取得し、事業者がサービスの導線にする展開も可能になる。例えば不動産と連携し、アパートやマンションの写真を撮ると、その建物の空き部屋や間取りを表示する、中古車事業者と連携し、車の写真を撮ると車種や中古車の価格などの情報を取得する――などが挙げられる。分からないことはネットで検索をすればよいが、街中で見かけた車が気になっても車種が分からないと調べようがない。そんなときに画像認識が役に立つというわけだ。ほかに、書籍・CDの販売サイトとの連携してユーザーの購入につなげるという展開も期待される。
仕組みとしては、ユーザーがGAZIRUアプリ経由で読み取った画像をサーバに送信し、画像の解析結果に基づいて、付加情報や広告URLなどをユーザーに送信する。画像を認識するには辞書データが必要になるが、この辞書をスマートフォン上のアプリに置けば、通信をせずに画像を認識できるようになる。「辞書を作成するためのツールをNECが提供することも可能」(説明員)で、平面体の画像向け辞書ならこのツールでサービス提供者が比較的容易に作成できるようだ。ただし立体的な画像の辞書作成はハードルが高いため、基本的にNECが担当するという。
NECは6月1日からGAZIRUを販売し、商談を進めていく。カメラを搭載したスマートフォンが普及し、SNS上での画像共有が日常的になっている現在、GAZIRUはトレンド押さえたサービスといえるだろう。
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