2012年冬モデルではFeliCa/NFC対応スマホが登場――海外との連携も展開するドコモ:Mobile Asia Expo 2012
Mobile Asia Expoのドコモブースでは、海外ユーザーとも関連の深いNFCや通訳電話、また環境センサーネットワークを使った技術などを紹介していた。
Mobile Asia ExpoのNTTドコモブースでは、海外に関連の深いサービスや技術を中心に紹介されていた。
かねてから海外の通信事業者と提携を推進しているNFCについては、コンサートのチケットをNFCで利用するなどのデモに加え、韓国の通信事業者KTとの協業サービスを紹介。KTとは韓国から日本を訪れる韓国人向けに、2012年4月1日から8月末まで「スマートポスター」を利用したサービスを展開している。KTが提供するウォレットアプリを利用し、韓国の金浦(ギンポ)国際空港にあるポスターにNFC端末をかざすと、日本の店舗で利用可能なクーポンを入手できる。現在利用できるのは飲食店を中心とした約200店舗で、三井住友カードに協力を仰ぎ、同社の加盟店で利用できるようになっている。加盟店は、海外からの利用者が増えるという付加価値を得られるわけだ。日本ではNFCの商用サービスがまだ始まっていないため、現時点ではクーポンの利用に限られる。
逆のサービス――つまり韓国などの海外(NFCが普及している国)を訪れる日本人向けのサービスも積極的に展開していく構えだ。ただ日本ではNFCに対応した端末がまだ普及していないため、現時点では提供されていない。「2012年後半の冬モデルでは、NFCとFeliCaの両方をサポートした端末を投入する」(説明員)ので、このタイミングで日本人が海外で利用できる提携サービスの登場が期待される。「日本のNFC端末を使って(モバイルSuicaのように)海外でも電車に乗れる」といったことも訴求していくという。会場ではFeliCaのSE(Secure Element)とNFCチップを搭載、SIMにNFCアプリを内蔵させた試験端末「AQUOS PHONE SH-12C」を使い、iD(FeliCa)とクレジットカード(NFC)で決済するデモを実施していた。
海外(上海)での展示会ということもあり、「通訳電話サービス」も注目を集めていた。同サービスでは離れた相手に他言語で通訳しながら通話できる「遠隔利用」のほか、端末1台を使ってその場で通訳した内容を外国人に伝えられる「対面利用」が可能。現在は第2回の試験サービスが提供されている。ただ、現時点では日本語からの通訳にしか対応しておらず、「中国語から通訳できるようにしてほしい」(説明員)との声も挙がっていたという。
環境センサーネットワークについても展示。同社の気象センサーで測定した花粉、紫外線、温度、湿度、降水量、雷などのデータをドコモのネットワークでサーバに転送・蓄積し、自治体や企業に届けるというもの。提供先については、特に化粧品メーカーや製薬会社からの引き合いが多いようだ。2012年1月にはスマートフォン向けに「ドコモ花粉ライブ」を提供した。気象センサーは現在4000箇所に設置されており、将来的には9000箇所にまで拡大する見込み。気象センサーは基地局や山岳地帯、農場、コンビニエンスストアなどに設置され、各センサーが備えているセンサーの種類は場所によって異なる。会場には降水量、温度・湿度、花粉、風向・風速センサーが展示されていた。センサーは気象庁の検定に合格しており、「精度は非常に高い」(説明員)とのこと。さらに、「2012年夏にはさまざまなセンサーで取得した情報を統合したサービスを提供する予定」とのことなので期待したい。
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