ケータイで培った技術をスマホに――“人に優しい機能”を強化する富士通(3/3 ページ)
2011年度の国内携帯電話出荷台数でトップになるなど、富士通が好調だ。夏モデルではクアッドコアCPU搭載の「ARROWS X」から初心者向け「ARROWS Me」まで幅広いユーザーに向けた4機種を投入する。特に強化したのが指紋センサーや持ってる間ONなどのヒューマンセントリック機能だ。
海外展開にも期待、ソフトウェアの品質も改善
ドコモの夏モデルでは「GALAXY S III SC-06D」「Xperia GX SO-04D」「Xperia SX SO-05D」など海外メーカー製モデルも注目を集めているが、富士通 執行役員常務の大谷信雄氏は「(ARROWS XやREGZA Phoneは)日本メーカーが日本人のために開発したもの。日本メーカーは去年は後れを取ったが、弊社はヒューマンセントリックエンジンを搭載し、フィーチャーフォンで培ったものを本格的にスマートフォンに投入していく。十分海外メーカーには対抗できる」と話し、優位性を強調した。
富士通はMobile World Congress 2012でF-10Dの試作機や2011年冬モデルを中心に展示しており、海外にも展開したいという姿勢が垣間見えた。具体的なことは決まっていないものの、「海外の通信事業者とも話をしている。着実に成果が出るように頑張っている」(大谷氏)とのこと。
前モデル「REGZA Phone T-01D」は発売日に不具合が発生するなど、2011年冬モデルではソフトウェア面で不安定な部分が露呈した。高田氏も「お客様から日々声を頂戴しており、ソフトウェアに起因する不具合もあった」と認める。そこで「夏モデルでは社内の開発プロセスにおける品質基準を高め、お客様の声を改善要望を取り込んだ。ドコモさんにも今まで以上に評価されている」という。
またWindows Phoneについての質問が挙がると、大谷氏は「最終的に決めるのは通信事業者だが」としつつも、「Windows 8はPCと同じチームで開発でき、タブレットやスマートフォンと一体となったプロモーションもできると思っている。富士通としてはしっかりやっていきたい」と前向きな姿勢を示した。
発表会には、7月から放送されるARROWSの新テレビCMに起用されるEXILEのTAKAHIROさん、TETSUYAさん、KEIJIさん、KENCHIさんが登場。このCMに流れる音楽「BOW&ARROWS」はARROWSのブランドソングであり、ARROWSとEXILEがタッグを組んだ新プロジェクトの一環としてEXILEが手がけた。TAKAHIROさんは楽曲について「新しいサウンドを取り入れたので、EXILEとしても挑戦した部分が多い。ARROWSの最先端の技術と共通している」と話した。テツヤさんは「進化を続けるARROWSと一緒にEXILEが日本の未来を切り開くべく精進していきたい」と意気込みを話した。
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