マルチキャリアSIMフリースマホ「arrows M02」レビュー:SIM通
国内マルチキャリア対応端末として人気の「arrows M02」は、SIMフリースマホでは珍しく、おサイフケータイとVoLTEに対応。今回はこの機種についてレビューします。
富士通から発売中のSIMフリースマホ「arrows M02」は、SIMフリースマホのなかでは珍しく、おサイフケータイとVoLTEに対応した端末。今回はこちらの機種についてレビューします。
au回線を含め国内主要3キャリアに対応
「arrows M02」のベースはドコモ向けに提供されている「arrows Fit F-01H」のSIMフリー版となります。前モデルの「arrows M01」と比較すると、今回からドコモ回線に加えて、au回線の周波数に対応しています。そのため、国内マルチキャリア対応端末として人気が高く、MVNO各社からSIMカードとセットで販売。家電量販店やMVNO各社から販売されており、主なMVNOにおける一括払い価格はそれぞれ以下のとおりとなっています(2月16日時点)。
楽天モバイル | 29,800円 |
---|---|
mineo | 32,400円 |
DMMmobile | 29,800円 |
IIJmio | 29,800円 |
NifMo | 33,334円 |
マットな肌触りのボディは軽量で持ちやすいデザイン
ボディはマットな肌触りで持ちやすく、重さも149gなので5インチスマホにおいては軽量の部類に入るといえます。コーナー部分は角ばりすぎていなく、大きく丸みを帯びた感じもなく、シンプルで持ちやすいデザインです。ディスプレイには有機ELを使っているため発色がよく、明るい場所でも暗い場所でも鮮明に表示可能。視認性が非常に高いディスプレイです。
背面には富士通のロゴと、上部にカメラとおサイフケータイ用の通信アンテナを搭載しています。 シンプルながら存在感あるデザインではないでしょうか。
arrows M02のUIは、富士通独自の「Leaf UI」を使用しており、設定画面などはアイコン表示してあるので、ひと目で分かりやすいデザイン。富士通オリジナルのホーム画面「NX!ホーム」も使いやすく、初めて利用する人でもスムーズに使いこなせるのではないでしょうか。
主要MVNOのAPN設定に初期対応済み
arrows M02はau回線を含め、ドコモ、SoftBankと国内主要3キャリアに対応しています。今回、ドコモのspモード契約とauのLTE契約のSIMカードをそれぞれ挿入し、APNを設定したところ双方とも無事に通信できました。ちなみにSIMを挿すと主要MVNOのAPNがリストアップしてくれます。
au回線とドコモ回線のSIMを自動的に検知して表示。面倒なAPN設定があらかじめ登録されているので、設定をスムーズに進められる点は大きなメリットです。ただし、MVNOではなくドコモのspモードやmopera、auのLTE NETを使用する場合、それらのAPNはリストには出てこないので手動設定する必要があります。
「モバイルSuica」などの「おサイフケータイ」機能搭載。一部非対応のサービスも
arrows M02はSIMフリーのスマホとして数少ない、FeliCa対応おサイフケータイを備えています。現状では、一般的なSIMフリースマホでもNFCを搭載した機種はいくつかありますが、FeliCaに対応した機種は珍しく、その点もarrows M02の売りではないでしょうか。
今回はまずモバイルSuicaを設定してみました。別のスマートフォンから機種変更手続きを行い、arrows M02で初期設定を行うと、無事に移行が完了しました。この状態でJRの自動改札を通ると、ちゃんとSuicaとして使うことができました。おサイフケータイ機能の中でも多くの利用者がいるサービス。SIMフリースマホへ移れない理由の1つにも挙げられることがあるので「待っていた!」という方もいるのではないでしょうか。
続いてドコモ独自で提供しているサービスについて、arrows M02で使用できるか検証しました。spモード契約のSIMカードを挿入し、dカードアプリを立ち上げましたが、エラーが発生して使用できませんでした。また、ドコモ向けcashbee(韓国版おサイフケータイ)も同様に、アプリのインストールはできるものの、立ち上げると非対応の表示が。docomoIDと紐づけのあるサービスは、おサイフケータイであっても利用できないようです。しかし、このサービス自体、ドコモと契約しているユーザに向けたものですので、当然といえば当然の結果であると言えます。
また、端末非対応のサービスとなっているその他のおサイフケータイアプリも試してみたところ、マクドナルドのクーポンは、アプリのインストールおよびクーポン発券はできるものの、店頭のリーダーライターで読み取りエラーになりました。電子マネー「nanaco」は、そもそもアプリのインストール自体ができませんでした。今後対応してくれることに期待したいところです。
OSバージョン | Android5.1 |
---|---|
CPU | クアッドコア |
RAM/ROM | 2GB/16GB |
外部ストレージ | microSD/HC |
サイズ | 68.9×141×8.9(mm) |
重量 | 149g |
画面サイズ | 5インチ 有機EL(1280×720) |
カメラ | メインカメラ:810万画素 インカメラ:240万画素 |
バッテリー容量 | 2,330mAh |
周波数帯 | GSM:850、900、1800、1900 UMT:Band 1/5/6/8/19 LTE:Band 1/3/8/19/26 |
無線LAN(Wi-Fi) | IEEE802.11b/g/n |
Bluetoothバージョン | 4.1 |
SIMサイズ | nanoSIM |
その他機能 | NFC、テザリング、防水、おサイフケータイ |
arrows M02を数日間使用してみましたが、一部のおサイフケータイに対応し、ミドルレンジクラスでありながら機能的に削られた部分がほとんどなく使い勝手は良好でした。APN設定もほとんどのMVNOが初期登録されているので簡単に行えるなど、大手通信事業者よりもMVNOでの利用を意識した設計となっています。国内メーカーのSIMフリースマホを手にしたいと思っている方にとって、現状ではベストな選択といえる一台ではないでしょうか。
(文:齊藤克久)
基本情報から価格比較まで――格安SIMの情報はここでチェック!→「SIM LABO」
関連記事
- 「SIM通」バックナンバー
基本スペックからカメラ、ベンチマークまで――「arrows M02」徹底レビュー
au/ドコモ回線に対応したSIMロックフリースマホ「arrows M02」。防水仕様やおサイフケータイなど、日本のスマホならではの便利機能も充実している。三大キャリア回線に1台で対応――「arrows M02」で使う格安SIM
富士通のSIMロックフリースマホ「arrows M02」は、1台でドコモ、au、ソフトバンク/Y!mobileのネットワークに1台で対応できる。さっそく、手元にあるドコモ・auの格安SIM(と、キャリア純正SIM)で、さっそく使ってみよう。「モバイルSuica」が国内メーカーのSIMフリースマホで利用可能に
12月中旬から、Xperia J1 Compact、AQUOS SH-M02、arrows M02などで利用できる。モバイルSuica10周年を記念したキャンペーンも行う。「arrows M02」が「想定以上」に売れた理由は?――富士通に聞く、SIMフリー市場への意気込み
2014年12月に投入した「ARROWS M01」に続く、第2弾のSIMフリースマホとして富士通が開発したモデルが「arrows M02」。おサイフケータイや防水・耐衝撃性能、VoLTEにも対応しながら、3万円台を実現。「想定以上に売れている」という本機の開発背景を聞いた。2015年のARROWS→arrowsを振り返る メインにできないAndroidケータイ
段々“スマート”ではなくなっていくスマートフォン。フィーチャーフォン(ケータイ)こそ、スマートだと思っていたが、Androidケータイはそんなでもない気がする2015年。
関連リンク
Copyright:(C) NTT Resonant Inc. All Rights Reserved.