nuroモバイル、1日5時間高速通信し放題の新料金プランなどを発表:SIM通
ソニーネットワークコミュニケーションズは、「nuroモバイル」の新商品説明会を実施した。国内通話「5分かけ放題」や、高速通信容量を時間単位で定めた「5時間プラン」など、新たに4つのサービスを提供する。また、新機種2機種の投入と、既存の3機種の値下げも発表した。
ソニーネットワークコミュニケーションズは1月31日、MVNOによるモバイル通信サービス「nuroモバイル」の新商品説明会を実施しました。
まず、モバイル事業部門 ビジネス開発部長の細井邦俊氏が、昨年10月に「nuroモバイル」を開始した経緯について説明。同社では2003年よりモバイル事業を開始、「So-net モバイル LTE」「PLAY SIM」など、複数のブランドでモバイル通信サービスを提供していたものの「どれを選んだらいいかわからず、複雑でわかりにくい」「自分に合ったプランがない」という声が多く、適切な価格でシンプルなサービスを提供するため、nuroモバイルへとリニューアルを図ったのだそうです。
nuroモバイルでは現在、2GBから1GB刻みで容量を選べる「1GB刻みプラン」を主力のサービスに据え、それに加えて月額0円から利用できる「0 SIM」と、訪日外国人向けのプリペイドSIMを提供しています。1GB刻みプランでは、最も安価な2GBのプランで月額700円、最も高い10GBのプランでも2,300円で利用可能であるほか、音声通話を利用するにはさらに700円を追加すればよいだけ。シンプルでわかりやすい料金体系が特徴だと細井氏は言います。
サービスを開始してまだ日が浅いnuroモバイルですが、前身のサービス利用者を含め、利用傾向が大きく異なる0 SIMを除いたnuroモバイルの契約数は、昨年12月時点で約38万回線にのぼります。最近では女性や20~30代の若い世代が増えているほか、SIMの種類もデータより音声対応のものが増える傾向にあるとのことです。
しかしながらnuroモバイルのサービス開始後、ユーザーからはサービスの充実度が不足しているとの声が多く挙がっていたそうです。そこで2月1日より、新たに4つのサービスを提供し、nuroモバイルを強化する方針を打ち出しました。
1つめは音声通話定額サービスで、プレフィックスコールを用いた国内通話「5分かけ放題」を月額800円での提供すること。5分間を超えた通話も30秒10円で利用できるほか、5分かけ放題が未契約の状態であっても、プレフィックス番号を付けることで30秒10円での通話が可能に。また、同社では5分かけ放題の専用アプリを2月1日より提供し、これを用いることでプレフィックス番号を付与する必要なく、通話定額が利用できるようになるとのこと。
ちなみに5分かけ放題をつけた場合、1GB刻みプランであれば最も安価な2GBのプランが月額2,200円で利用可能になります。しかし細井氏によると、5分かけ放題は0 SIMでも契約できるとのこと。そのため、データ通信が少ない通話重視のユーザーであれば、0 SIMの音声SIMと5分かけ放題を契約することで、月額1,500円での利用が可能です。
2つめは「パケットギフト」です。通常のパケットシェアは、家族など特定のグループ内のみなどシェアする相手が限られていますが、nuroモバイルの場合、nuroモバイルのサービスの利用者同士であれば、相手を選ばず1GB刻みでデータ通信容量のシェアが可能になります。
3つめは、月額2,500円の「5時間プラン」という全く新しい料金プラン。これは高速通信容量が通信量単位ではなく、時間単位で定められているというもの。つまりこのプランを契約すれば、1日5時間以内であればどれだけ大容量データ通信しても制限がかからないのに加え、1日5時間の高速通信を使い切った場合も、次の日には再び5時間の高速通信が可能。使い方によって非常に便利なプランといえるでしょう。
高速通信がオンになるタイミングはユーザーが制御するのではなく、ユーザーが一定時間内に一定量、画像や動画などの大容量通信をすることで、ネットワーク側が自動的に「大容量通信を始めた」と判断して切り替えます。高速通信のオフも、ユーザーの利用動向から判断して自動的に切り替わるそうです。1GB刻みプランと5時間プランは切り替えも可能なことから、「ライフスタイルに合わせて選んでもらえれば」と細井氏は話しています。
そして4つめは、ユーザーの要望に応えるべく導入した施策となります。まず、nuroモバイル契約後にスマートフォンの機種変更や追加購入ができるようにしたこと。またそれにあわせて「ZenFone3 Max」「AQUOSケータイ SH-N01」の2機種を新機種として投入するほか、10月から発売している「arrows M03」など3機種を値下げすることです。
加えて、200kbpsの低速通信で利用している時に、最初の数秒だけ通信速度が高速になる「初速バースト」が導入されます。細井氏によれば、これによって低速通信の状態でも、「最初にアクセスするWebサイトの画面くらいは高速で表示できるようになるのではないか」ということでした。
細井氏は最後に「やっといろいろなサービスが充実し、改めてスタートできる。今後顧客に安心して使ってもらえるモバイルサービスとなるよう磨きをかけていきたい」と話しました。同社は現在、あくまでnuroモバイルのサービスを充実させることに力を注いでいるとのことです。しかし、同じソニーグループには「Xperia」シリーズのスマートフォンを提供するソニーモバイルコミュニケーションズも存在しているため、両社の連携も注目されます。それだけに、リニューアルしたnuroモバイルの、今後の取り組みが大いに期待されるところです。
(文・佐野正弘)
基本情報から価格比較まで――格安SIMの情報はここでチェック!→「SIM LABO」
関連記事
- 「SIM通」バックナンバー
「nuroモバイル」が新サービスを発表 「5分かけ放題」「5時間プラン」「パケットギフト」を2月1日から提供
ソニーネットワークコミュニケーションズのMVNOサービス「nuroモバイル」が2月1日からサービスを拡充する。プレフィックス型の格安電話サービスのほか、1日5時間まで高速通信できる新プランやユーザー同士がパケット通信量を送りあえる仕組みを導入する。ソニーネットワーク、新MVNOサービス「nuroモバイル」を開始 700円/2GBから
ソニーネットワークコミュニケーションズが「nuroモバイル」を10月1日に開始。料金プランは月額700円/2GBから月額2300円/10GBまで、1GBごとに200円がプラスされる。容量繰り越しやプラン変更にも対応している。「本家」と比べるとどう?――「0 SIM by So-net」と「So-net モバイル LTE」でスピード比べしてみた
「デジモノステーション」の2016年2月号に付いてきた「0 SIM by So-net」を開通させました。本家の「So-net モバイル LTE」との通信速度の差があるのかないのか、どうしても気になるので測定し比べてみました。「So-netにはソニーグループの力を投入し、One Sonyを目指す」――プロバイダ業界の再編に距離を置く姿勢を見せた平井CEO
米国のラスベガスで開催された「CES 2017」。その会場で、ソニーの平井一夫CEOが日本の報道陣とのラウンドテーブルに臨んだ。記者との一問一答のうち、モバイルに関連するものに突っ込んでみようと思う。余った通信量に応じてANAのマイルがたまる――ソネット、「MILEAGE SIM」を発売
ソネットが3月25日に「MILEAGE SIM」を発売する。ANAマイレージクラブと連携しており、余った通信量300MBごとに10マイルがたまる。プランは3.5GBと7GBの2種類。
関連リンク
Copyright:(C) NTT Resonant Inc. All Rights Reserved.