ついに登場! Apple純正のビデオアプリ「Clips」を試す:荻窪圭のiPhoneカメラ講座(2/2 ページ)
AppleがiPhone・iPad向けにカジュアルなビデオクリップ作成アプリを作った。これがまた結構いい感じなのだ。
もっと楽しむなら「エフェクト」をかけよう
素材には、大きく3つのエフェクトが用意されている。動画作りをもっと楽しみたいなら、使わない手はない。
ライブタイトル
個人的に一番面白いエフェクトが「ライブタイトル」。しゃべりながら録画した動画の音声を拾って、文字に起こしてタイトル(字幕)として動画に挿入してくれるのだ。
ライブタイトルを使うには、3つ並んだアイコンの一番左にある吹き出しのアイコンをタップする。ライブタイトルの挿入方法にはいくつかパターンがあるので、好みのものを選ぼう。
今回は「小雨降る中、東京古道散歩中です」としゃべってみたけれど、字幕は「家小雨降る中、東京都道散歩中です」となってしまった。「家」は、しゃべり始める前の「えー」が入ってしまったもの。とほほ。「古道(こどう)」は「都道(とどう)」と認識されてしまった。都道を散歩したわけじゃないのに……。
ある意味当然といえば当然なのだけれど、一般的ではない言葉や、聞き取りづらいしゃべり方をすると「聞き取りミス」が発生することがある。まあ、仕方ない。逆に言えば、屋外というノイズが多い環境で、これだけ聞き取ってくれたのだから優秀かもしれない。
ちなみにこの素材、筆者が先日講師を務めた「東京古道散歩」っていう野外講座の休憩中にこっそり撮ったものである。
フィルタ
2番目に紹介するエフェクトは「フィルタ」。3つ並んだアイコンの真ん中を選択すると、「コミックブック」とか「フェード」とか、いろいろなフィルタが出てくる。
ただ、いろいろあるのは良いのだけれど、アジア圏をターゲットにするなら、美肌機能というかビューティー機能というか、そっち系のエフェクトも欲しいよねぇ……。
何というのか「ありがちな」内容にとどまっているので、フィルターに関してはまだ改良の余地アリですな。
スタンプ
3番目に紹介するエフェクトは「スタンプ」。素材の中に画像をペタペタ貼るものですな。3つ並んだアイコンの一番右にある星印のやつを選択すると、素材にオーバーラップする形でスタンプの一覧が表示される。
スタンプは大きくフキダシやテキストを追加するものと、絵文字を入れるものがある。テキストはあとから修正できる。スタンプは拡大・縮小も可能だ。
と、こんな感じで加工していくのである。
素材はスクリーンショットなどでもOK
続いて、地図の画像を追加してみた。
ライブラリから写真を選択したら、2本指でピンチイン・ピンチアウトして収めたい範囲を決める。その後、ボタンを必要な時間だけ長押しすればOKだ。
ちなみに、この長押し中にしゃべりながら作業をすると、画像に対する説明なんかをリアルタイムに入れることもできる。これは便利だ。
で、素材の撮影・編集が終わったら「完了」をタップすれば完成。共有ボタンから「共有」を選べば、SNSアプリなどで共有したり、作成した動画をライブラリに書き出したりできる。
で、できあがった動画がこれ。良い感じに仕上がっていると思う。
他にもできることがある
動画にドカンとタイトル文字を入れたいときは、「ポスター」と呼ばれる機能を使ってみよう。
また、複数のクリップの順番を入れ替えたい場合は、入れ替えたいクリップをドラッグ&ドロップで移動すればOKだ。また、あるクリップが「長すぎるなぁ」と思ったら、長さを調節する機能もある。
さらに、クリップにBGMを挿入する機能もある。あらかじめ用意されているサウンドクリップも豊富だ。
という感じで、猫動画をひとつ作ってみた。まだ慣れてないので細かいところがアレだけれど、ご笑覧を。
うん。iMovieよりずっと簡単に作れるし、映像の知識は不要だし、作業は感覚的で楽チン。リアルタイムで録るのもいいけど、今まで撮影してきた写真や動画をClipsでまとめて1つの動画にするって使い方も良い。
1日の出来事をまとめてシェアする時は、写真をたくさん上げるより、これを使ってひとつの動画にした方が見てもらいやすいし、見ていて楽しいし、表示時間の長短でメリハリをつけられるし、コメントも入れられるしで、スライドショーを作るアプリとして使うのも結構良い感じだ。
「動画を撮ってそのままアップ」じゃなくて、Clipsで一手間掛けて面白い作品にしようよ、っていうAppleの提案ですな。
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