“Xperiaブランド”を主力にする――Sony Ericssonのグローバル戦略:Mobile World Congress 2010(2/2 ページ)
日本のみならずグローバル市場でバリエーション豊かなケータイを投入し続けているSony Ericsson。2010年はどのような戦略で端末を投入していくのか。また、すでに3機種の“X10”を発表した「Xperia」シリーズの位置付けとは。Sony Ericssonに聞いた。
ソニーのデザインに北欧らしさを融合
ITmedia X10シリーズの登場で、携帯業界でのスマートフォンの認識が、大きく変わりつつあるように思えます。スマートフォンとそのほかの端末のすみ分けはどのようにお考えでしょうか。
伊藤氏 私はX10 miniとX10 mini proはスマートフォンではないと考えています。miniやproをスマートフォンと思って買う人はいないでしょう。企画している側にもその意識はありませんし、スマートフォンとほかの端末の垣根はなくなっていると思います。
ITmedia 多くの日本ユーザーが気にしている点だと思いますが、Xperia X10のほかにも、グローバル端末を日本へ投入する予定はあるのでしょうか。特にX10 miniとX10 mini proは、発表直後から日本でも大きな注目を集めています。
伊藤氏 日本の通信事業者さん向けにカスタマイズすることは技術的には可能ですし、基本的にすべてのお客さんに提供できるよう開発しています。あとは通信事業者さんの意向次第ですね。
ITmedia 海外のSony Ericsson端末は、洗練されたデザインのモデルが多いように思います。デザインのコンセプトについても教えてください。
伊藤氏 グローバルモデルでは、無駄な装飾を省いた「ミニマリズム」という要素を重視しています。これまでは商品ごとに変えていたデザインコンセプトを、2010年はどの商品にも通じるコアな部分に据えました。Sony Ericssonの製品には、ソニーと北欧のデザインが融合されています。北欧のデザインは、素朴でシンプルだけど飽きないといった特徴を持っています。こうした、“目には見えないけど何か感じるものがある”部分が、ほかのメーカーとの決定的な違いといえます。
ITmedia 日本向けに供給しているケータイに、こうした北欧らしいデザインは生かされないのでしょうか。
伊藤氏 日本市場を完全に切り離して考えているわけではありませんが、日本人のデザインに対する嗜好は特殊で、シンプルすぎると受けない面がありますし、通信事業者さんの判断もあります。ただ、Xperia(Xperia X10)はグローバルモデルとして投入するので、デザインは変えていません。ここはドコモさんにも尊重いただきました。
ITmedia 最後に、デザインやUIを含めた、Sony Ericssonケータイならではの優位性を教えてください。
伊藤氏 優れたユーザーエクスペリエンスを提供できることです。これはX10シリーズの核でもあります。電源を入れてから使い始めると、その違いが分かるでしょう。
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